研究課題/領域番号 |
15K00841
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研究機関 | 和洋女子大学 |
研究代表者 |
本 三保子 和洋女子大学, 生活科学系, 准教授 (30322613)
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研究分担者 |
鬟谷 要 和洋女子大学, 生活科学系, 教授 (20251465)
岡本 由希 和洋女子大学, 生活科学系, 准教授 (20348379)
仲村 麻恵 和洋女子大学, 生活科学系, 助手 (40736170)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | フコイダン / マウス / 血糖値 / ラット / 血圧 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、海藻9種より分離したフコイダンを異なる分子量に調整し、in vitroでの検定により、生活習慣病予防効果が期待できる海藻フコイダンを選抜した。平成28年度は、選抜した海藻フコイダンについて、動物実験により生活習慣病予防効果の検定を行うことを目的とした。 褐藻類の海藻3種(ヒジキ、アラメ、ホンダワラ)について熱水抽出し、加水分解を行うことにより、低分子量化フコイダンを含む各種熱水抽出物を調製した。2型糖尿病モデルマウスに対する長期投与試験を行った結果、ヒジキ抽出物、アラメ抽出物、ホンダワラ抽出物のいずれも空腹時血糖値の上昇を抑制したことから、血糖値上昇抑制効果が認められた。さらに、高血圧モデルラットに対する単回投与試験を行った結果、ヒジキ抽出物、アラメ抽出物、ホンダワラ抽出物のいずれも収縮期血圧が低下したことから、血圧上昇抑制効果が示唆された。 ヒジキについては、熱水抽出物から低分子量化フコイダンを分離・精製し、2型糖尿病モデルマウスに対する長期投与試験を行った。その結果、ヒジキ低分子量化フコイダンは空腹時血糖値の上昇を抑制し、インスリン抵抗性の悪化を抑制した。さらに、ヒジキ低分子量化フコイダンは、肝臓中性脂肪濃度の上昇を抑制した。従って、低分子量化フコイダンを含むヒジキは、抗糖尿病効果、脂肪肝抑制効果、血圧上昇抑制効果を示し、生活習慣病予防に効果を発揮することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究は、研究分担者との定期的な報告、打ち合わせを行いながら進めることができた。また、機器分析を用いた測定は、研究協力者の協力を受けて進めることができた。しかし、海藻フコイダンの分離・精製に時間を要したため、海藻フコイダンの長期摂取による高血糖、肥満、脂質異常、高血圧予防試験についてはまだ実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、海藻フコイダンの分離・精製を進めて、海藻フコイダンの長期摂取による高血糖、肥満、脂質異常、高血圧予防試験を行う。それと並行して、フコイダンを含む海藻の調理法の検討および官能評価を行い、ヒトに対する摂取効果の検定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
海藻フコイダンの分離・精製に時間を要したため、海藻フコイダンの長期摂取による高血糖、肥満、脂質異常、高血圧予防試験についてはまだ実施できていない。従って、次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、海藻フコイダンの分離・精製を進めて、海藻フコイダンの長期摂取による高血糖、肥満、脂質異常、高血圧予防試験を行う予定であり、その費用を次年度使用額に充てたい。
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