α-リノレン酸給餌は、一過性脳虚血によって生じる摂食障害(摂食量と体重の減少)に対して軽減効果を発揮することが判明した。しかしながら、このときの脳内では肝臓など末梢組織で顕著にみられるエイコサノイド前駆体脂肪酸含量の変動がほとんどなく、脳内でエイコサノイドの産生が抑制されているとは考えにくいことがわかった。また、α-リノレン酸は、LPS投与後の視床下部で起こる炎症性サイトカイン産生応答を抑制することが判明した。これらのことから、一過性脳虚血によって生じる摂食障害に対するα-リノレン酸の軽減効果は、視床下部で起こる炎症性サイトカイン産生応答の抑制による可能性が示唆された。
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