本研究は、メタボリックシンドローム対策とロコモティブシンドローム対策における食生活・栄養と運動の役割を解明するために、前者では糖・脂質の代謝動態、後者では骨・筋肉の代謝動態に及ぼすそれぞれ食質と運動の影響を、成人を対象として検討した。 その結果、分岐鎖アミノ酸を豊富に含む脱脂粉乳の摂取により、インスリンの分泌が増大し、筋たんぱく質分解の指標である3-メチルヒスチジンとカテコールアミンの尿中排泄量が減少するが、運動によりこれらの変動が抑制されることなどが示唆された。運動がインスリン節約作用とともにたんぱく同化作用を発揮する機序については、さらに検討が必要であると考えられる。
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