研究課題
生活習慣病対策やストレス評価、介護予防への利用を考慮して開発された腕時計型ストレス・カロリー計について、ライフステージ毎の精度の検証と応用法の検討を行うことが本研究の目的である。本年度は以下の実験および調査を行い、結果をまとめて学会および学術雑誌に報告した。健常中高年男性30名を対象に、ストレス・カロリー計を装着し睡眠時基底心拍数を得た後に、統一した活動(ストレス暗算、歩行等)を実施し、当機と既存の精密代謝機との精度の検証実験をおこなった。検証実験により得られた心拍数と加速度の変動から換算された消費カロリーは、既存の精密代謝器との間にある程度の高い精度が確認されため、換算式の各種係数(基底心拍数、精神活動係数、身体活動係数等)が当機に採用した既定値で適することを学会に報告した。さらに中高年男性92名を対象とした特定健診の結果とストレス・カロリー計から得た測定値との関係や厚労省ストレスチェック票との関係を調べた。ストレス・カロリー計の測定値は、生活習慣病関連の殆どの健診項目との間に有意な相関を示した。当内容を学会に発表し最優秀演題賞を得た。これら中高年を対象とした精度検証および検診結果との関係性をまとめて論文を作成し英文誌に採択された。また昨年度を中心に実施した若年男性を対象とした精度検証の研究成果が本年英文誌に掲載された。次年度は高齢者を対象とした実験を行うため、本年は予備実験を行い、高齢者の装置の仕様の留意点や特定活動の実験を行う場合の負荷量ついて確認した。
2: おおむね順調に進展している
若年者を対象とした精度の検証実験をまとめた論文が英文誌に掲載された。中高年を対象とした検証実験の成果は学会発表した。さらに測定結果と特定健診の検査結果を比較した研究は学会発表を経て受賞もした(日本臨床栄養学会最優秀演題賞)。さらに上記の中高年の検証実験および健診結果との比較を併せてまとめた論文は、英文誌にアクセプトされた。以上より、おおむね順調に進展していると判断した。
平成29年度は、高齢者を対象としたストレス・カロリー計の精度の検証実験と、高齢者の健康診断結果との関係を調べる予定である。検証実験の実施にあたり、予備実験にて高齢者におけるストレス・カロリー計の装着時の留意点や活動負荷量の確認を終えたため、今後は神奈川工科大学周辺および横浜市立大学医学部の周辺の高齢者を対象として、両校において実験を行う。また、高齢者の健診結果との照合については、現在データを得つつあるため、今後は現在の研究を継続することと、データに関する詳細な統計解析をおこなう。
端数として残った。
次年度に繰り越し、消耗品等の購入に充てる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Gazzetta Medica Italiana Archivio per le Scienze Mediche
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J Atheroscler Thromb.
巻: 24 ページ: 147-156
10.5551/jat.34645.
巻: 175 ページ: 442-451