腎血管性高血圧モデルラットに昆布を摂取させると血圧上昇が抑制され、さらに昆布と酢の同時摂取ではこの効果が増強する。本研究はこのメカニズムとして、主にアルギン酸の関与を調べた。まず真昆布においてアルギン酸含有量の異なる部位で効果を見たが、予想に反し含有量が少ない方が効果が強かった。次に、この高血圧モデルにおいて高塩分食は低塩分食より高い血圧を示したが、昆布を与えると同レベルまで血圧が低下し、アルギン酸の塩分吸着による降圧説が指示された。一方、昆布を酢に浸漬すると効果が増強されたが、含有するアルギン酸分子量分布に変化は見られなかった。以上より、主要なメカニズムへのアルギン酸の関与は示されなかった。
|