本研究では、メタボリックシンドロームの発症に関わる内臓脂肪組織の慢性炎症に対する抗酸化食品成分の抑制効果の作用機構を食餌性肥満モデルマウス及び脂肪細胞を用いて検討した。その結果、カロテノイドのβ-クリプトキサンチンによる内臓脂肪組織の酸化ストレス抑制作用及び炎症抑制作用は弱かったが、クルクミンの酸化ストレス抑制作用は強く、クルクミン及びケルセチンで発現変動する内臓脂肪組織の遺伝子発現変化を比較解析したところ、クルクミンは内臓脂肪組織の酸化ストレス、小胞体ストレス及び脂肪合成を抑制することにより、またケルセチンは主に内臓脂肪への脂肪蓄積を抑制することによって慢性炎症を抑制することが示された。
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