研究課題/領域番号 |
15K00871
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
加藤 佳子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (30435052)
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研究分担者 |
小島 亜未 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (00738362)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 食教育 / 評価指標 / 健康生成論 / ライフステージ / 食行動 / 動機づけ / well-being / ソーシャルサポート |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、生活習慣や健康と密接な関連のある健康生成要因を強化・支援することに焦点をあてた食教育プログラムの標準化をめざし、食教育プログラム評価指標を開発することである。 中学生、高校生、大学生、一般住民を対象に調査を行った結果を分析し、ソーシャルサポート、首尾一貫感覚(Sense of Coherence: SOC)、Well-being、健康な食生活を送る動機づけ等の間に関連性を見出すことができた。そして、健康生成資源を活用した食教育プログラム評価指標に関するモデルを構築することができた。 中高生と大学生以上とでは、これらの変数に異なった傾向が見られた。そこで、中高生と大学生以上の二つのグループを対象として食教育プログラムの作成を検討することとした。 中高生では、特に他者からの健康支援が比較的効果があると考えられる中学生を対象とすることとした。そして一般住民については、高血圧傾向にある住民を対象に介入を行うこととした。 また、研究結果にもとづいて食教育プログラム評価指標を検討した。中学生を対象とした食教育プログラムの作成については、研究協力者である栄養教諭と綿密な打ち合わせを行っており、検討した評価指標に基づいて、指導案、教材の開発に取り組んだ。一方、高血圧傾向にある住民を対象とした食教育プログラムの作成については、実際に指導にあたる管理栄養士や保健師等の指導者を対象に、行動理論への理解度等について調査したところ、健康生成要因に関する研修を行う必要性があることが明らかとなった。そこで健康生成要因に関するワークショップを3回開催し、指導案と教材の開発の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食教育プログラム評価指標を作成する注目すべきライフステージを選定することができた。中高生については、中学一年生から高校三年生まで合計918名からデータを収集することができ、年齢発達的な特徴について分析することができた。そして具体的に中学生を対象とした食教育プログラムの指導案、受講者用教材の開発に取り組むことができた。一方、一般住民を対象とした食教育プログラムを開発するためには、指導者に時間をかけて研修を行う必要があることが明らかとなり、研修会を開催した。そのため、一般住民を対象とした食教育プログラムの指導案等の作成は多少遅れているものの、研究全体としては、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
食教育プログラム評価指標案を作成し、これに基づいて食教育プログラムの指導案等を作成し、介入をおこなう。介入よりSOCやソーシャルサポートなどの健康生成資源の強化を図り健康な食生活を行う動機づけを高め、BMI値をはじめとした生理指標を改善することができるかを検討し介入研究による影響評価を行う。この過程で食教育プログラム評価指標案の妥当性について検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
栄養摂取状況の調査に使用する予定であったが、フィードバックに使用する印刷を研究室で行ったので、予算の節約となり次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
介入を予定している中学生と高血圧傾向の一般住民を対象として、介入による影響を測定するための質問紙調査を実施する。また、介入のために頻繁にフィールドを訪問するのでその旅費が必要となる。さらに、これまでの二年間で得られた研究成果を発表するため論文として投稿するためにも、予算を使用する予定である。
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