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2016 年度 実施状況報告書

加工食品のフードディフェンスを目指したビッグデータ化モレキュラー解析の構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K00879
研究機関立命館大学

研究代表者

井之上 浩一  立命館大学, 薬学部, 准教授 (30339519)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード解析・評価 / 栄養学 / 薬学 / 分析科学
研究実績の概要

本研究では、予想不可能な加工食品の劣化や汚染状況の把握に新たなアプローチとして、ビッグデータ化モレキュラー解析を提唱し、その実用性への基盤構築を目指すこととする。具体的には、LC/MSの検出イオンを利用して、各種食品のパターンを解析することで、特徴づけを行い、それらに対して、統計的(多変量解析)差異が観察されるのか判断することにある。分析条件では、逆相系ODSおよび親水性相互作用HILICのカラムを用い、両方の結果を合算してデータとして用いた。ピーク数としては、約2000以上のものを採用した。PCA上の再現性として、いずれもRSDが15%以下であった。今回、粉ミルクなどの一定品質を担保している加工食品を用いて、パターン解析を実施した。異物混入(農薬、金属など)の粉ミルクでは、従来のものと明らかにPCA変化が観察され、従来のグループとは逸脱した結果を得ることができた。具体的には、メラミンでは、2010年に中国で汚染事例があったものも、10ppm以上で判別することができた。次に、農薬類としては、メタミドホス、マラチオンなど、対象とするすべてのものでPCA判別が可能であった。金属類は、鉛、水銀、カドミウム、ヒ素で検討を行った。その結果、ヒ素では判別が困難であったが、それ以外は、PCAで判別可能であった。いずれも、多変量解析によるPCAによって、グループ化判別ができることを立証した。今後は、微生物や劣化などへ拡大範囲することを目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度では、実検体(粉ミルク)を用いたパターン解析と異物混入事例を対象とし、多変量解析など実施することができた。

今後の研究の推進方策

今後は、更なる汚染実態を拡大し、劣化試験や微生物汚染など、従来想定される食品汚染へ拡大することとする。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用する装置購入のため、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

平成29年度に使用する前処理装置を購入する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Principal component analysis of molecularly-based signals from infant formula contaminations using LC-MS and NMR in foodomics.2016

    • 著者名/発表者名
      Inoue, K., Tanada, C., Hosoya, T., Yoshida, S., Akiba, T., Min, J.Z., Todoroki, K., Yamano, Y., Kumazawa, S., Toyo'oka, T.
    • 雑誌名

      J. Sci. Food Agric.

      巻: 96 ページ: 3876-3881

    • DOI

      10.1002/jsfa.7584

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [図書] 月刊フードケミカル2016

    • 著者名/発表者名
      井之上浩一
    • 総ページ数
      118 (58-63)
    • 出版者
      食品化学新聞社

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公開日: 2018-01-16  

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