習慣的なコーヒー摂取が、肥満や炎症に関連して生じる生活習慣病の発症リスクを低下させる可能性が報告されている。我々は、前駆脂肪細胞3T3-L1を用いて、コーヒー豆焙煎成分がインスリンシグナル経路のアダプター分子IRS1の分解を促進することにより、肥満の要因である脂肪細胞の分化を抑制することを見出した。また、コーヒーの抗炎症効果に関して、コーヒー豆焙煎成分がLPS誘発マウスマクロファージ細胞の炎症反応を抑制することを見出し、その効果は、Keap1の不活性化による転写因子Nrf2の活性化によることを見出した。以上の結果は、コーヒーの喫飲による生活習慣病予防効果の分子論的解明につながる。
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