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2017 年度 実績報告書

AGEs生成に着目した低糖質食による動脈硬化発症リスクの検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K00885
研究機関大東文化大学

研究代表者

蕪木 智子  大東文化大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (40339479)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード低糖質食 / 糖化最終産物 / 腎臓 / 脂肪細胞
研究実績の概要

食事療法として注目される低糖質食(LC食)の生体への安全性については不明な点が多く、特に非肥満状態での影響については充分な検討がなされていない。よって本研究では、非肥満状態でのLC食の摂取が、生体に与える影響を検討することを目的とし研究を行った。H26、27年度はLC食および中鎖脂肪酸含有LC食(MCT-LC食)の短期的および長期的摂取の影響について、体重変化、内臓脂肪蓄積量、腎臓について検討を行った。その結果、LC食では体重抑制および内臓脂肪蓄積量に有意な効果を認めなかった。一方でMCT-LC食は、内臓脂肪蓄積に対し長期的な抑制効果が認めた。また、LC食、MCT-LC食では糸球体小血管の肥大および硝子化を伴う腎臓の増大化が示された。
本年度(H28)は、前年度で変化が認められた腎臓および脂肪組織の機能変化について、糖化最終産物(AGEs)生成を含め、さらに詳細に組織学的解析を行った。腎臓のAGEs生成量は、N-epsilon-(carboxyethyl)lysineはMCT-LC食で低下し、N-epsilon-(carboxymethyl)lysineはLC食による著しい低下が見られた。内臓脂肪組織(副睾丸周囲脂肪組織)の脂肪細胞では、LC食で肥大傾向がみられると同時にアディポサイトカイン分泌についても変化を認めた。
以上の結果より、非肥満状態でのLC食の長期的摂取は、体重や内臓脂肪蓄積には抑制効果は認められず、腎臓では組織的変化やAGEs生成変化から腎機能を低下させる可能性が示された。一方で、LC食と同時に中鎖脂肪酸を同時摂取することで、非肥満状態においても長期的な内臓脂肪の蓄積抑制効果をもたらす可能性が示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 肥満における糖鎖の役割―糖転移酵素ST6GAL1は脂肪細胞の増殖を抑制する―2017

    • 著者名/発表者名
      蕪木智子、木塚康彦、北爪しのぶ、谷口直之
    • 雑誌名

      THE LUNG perspectives

      巻: 25 ページ: 411-415

  • [学会発表] 低糖質食および中鎖脂肪酸摂取は腎機能およびAGEs産生を変化させる2017

    • 著者名/発表者名
      金木一馬、高野樹、馬籠亮、大塚 裕子、蕪木 智子
    • 学会等名
      第27回日本メイラード学会年会
  • [学会発表] 糖転移酵素ST6GAL1による肥満の抑制2017

    • 著者名/発表者名
      蕪木智子、木塚康彦、川口しのぶ、谷口直之
    • 学会等名
      第71回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] AGEs生成に低糖質食および中鎖脂肪酸摂取が与える影響2017

    • 著者名/発表者名
      金木一馬、高野樹、馬籠亮、蕪木智子
    • 学会等名
      第71回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] Inhibitory Role of α2,6-Sialylation in Adipogenesis2017

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Kaburagi, Yasuhiko Kizuka, Shinobu Kitazume, Naoyuki Taniguchi
    • 学会等名
      Systems Glycobiology and Beyond
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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