研究課題
本研究は社会心理学と情報工学の分野横断研究により、食事内容が対人コミュニケーションに及ぼす効果を実験的に解明することを目的として実験・調査を実施した。平成29年度は食卓環境要因が食品摂取や食卓コミュニケーションに及ぼす効果についてこれまで得られた基礎的知見をもとに、現実に食事に問題を抱えるフィールドの問題解決への応用を目指し、主として認知症高齢者を対象として検討を行った。これらの成果は学会発表2件で報告するとともに、現在論文を執筆中である。研究成果については、上記に加えて前年度までに実施した食器が食品摂取や食卓コミュニケーションに及ぼす影響に関する実験データについて定量的な行動解析を新規に実施し、その成果としてまとめた論文が食行動科学の国際論文誌である「Food Quality and Preference」に原著論文として採択された。さらに、対人コミュニケーションを含む社会心理学的要因が食品摂取に及ぼす影響について国内外の知見をまとめ、「食行動の科学」と題する学術専門書を分担執筆した。また、平成29年度は当研究プロジェクトの最終年度であることから、学術的業績のみならず、ひろく研究成果の社会還元について積極的に行った。まず、2018年2月には東京都特別区専門研修「栄養士」にて「健康的な食環境整備に向けて: メニュー選びの心理学」と題した講演を行い、同3月には江東区平成29年度給食施設講習会にて「これ、食べたい!と思わせる心理学」と題した講演を行い、乳幼児や高齢者の食コミュニケーション支援に関する国内外の研究をわかりやすく紹介した。また、2017年12月にはNHK総合の情報番組「あさイチ」に出演し、食卓環境が食品摂取に及ぼす効果について心理学の観点から解説した。以上より、当研究プロジェクトは平成30年度も研究遂行および成果公表について積極的に進めることができたといえる。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)
日本インテリア学会論文報告集
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Food Quality and Preference
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doi.org/10.1016/j.foodqual.2017.09.009
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