研究課題/領域番号 |
15K00898
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
佐藤 隆夫 近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (70162443)
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研究分担者 |
井上 敬夫 近畿大学, 医学部, 助教 (00441006)
伊藤 龍生 近畿大学, 農学部, 教授 (40330245)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脳外傷 / 緑茶 / 高次脳機能障害 / 高齢者 / 認知症 |
研究実績の概要 |
(目的)我々は、加齢ラット脳外傷モデルで外傷後の外傷局所で神経幹細胞の出現と高度な高次脳機能障害を発症することを明らかにした。脳外傷後に高次機能障害を発症する加齢ラット脳外傷モデルにおいて緑茶カテキン(エピガロカテキンガレート、EGCG)が脳外傷後に出現する神経幹細胞数の増加や神経幹細胞から成熟神経細胞への分化・生存・維持を促進し、脳外傷後に起こる高次脳機能障害を改善するであろうと考えた。本研究は加齢ラットを用いて①EGCGが及ぼす脳外傷部局所の神経再生②EGCGによる高次脳機能障害の改善効果③蛋白レベル、遺伝子レベルでのEGCGによる神経再生と高次脳機能障害の改善効果の機序を組織学的、生化学的、生理学的および運動学的手法を用いて解明することを目的とする。 (方法と結果)Pneumatic control injury deviceを用いてWistar ラット(2年齢 ♂)の大脳表面に脳外傷を与えた。ECGC飲料群は受傷前4週より屠殺時まで、自由飲料させ、対照群には水道水を自由飲料させた。さらに両群とも外傷直後より脳内の分裂細胞をラベルするためにBrdUを投与した。EGCG飲料による加齢ラット脳外傷後の高次脳機能障害の回復促進効果を調べるために、EGCG飲料群及び対照群を受傷後にMorris water maze テストを行った。受傷後7日後及び30日後に行ったMorris water maze試験においてEGCG飲料群では、対照群に比較し、有意な改善効果が認められた。さらにEGCG飲料群では、BrdU陽性細胞数の有意な増加、脳外傷面積の有意な減少が認められた。このことから加齢ラットを用いた脳外傷の修復及び神経再生においてEGCG飲料が有効であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度は、脳外傷受傷ラットが高齢のため死亡し、使用匹数に不足が生じたために実験がやや遅れたが、本年では匹数が順調に充足し、おおむね順調に進行している。しかしながら前年度からの遅れが有り全体的にやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
加齢ラットの使用匹数が、充足してきているために実験を計画的に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度の実験動物作製の遅れのために実験計画がやや遅れ気味になっているために使用金額に差が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
順調に前年度の遅れを取り戻すことが出来たために今後は順調に進行する。
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