研究実績の概要 |
Pneumatic control injury deviceを用いてWistar ラット(2年齢 ♂)に脳外傷を加え脳外傷モデルを作製する。加齢ラット脳外傷受傷4週間前から屠殺するまでエピゴロカテキンガレート(EGCG)を自由飲料させる。対照群には水道水を自由摂取させる。受傷後7日、90日にMorris water maze テスト等を行い、緑茶飲料による高次脳機能障害の改善効果を確認する。受傷後3、7、14、30日後及び2回目のwater maze テストを終了した直後(90日後)にラットを屠殺し、脳外傷部周囲の神経細胞や神経線維を中心に連続切片を作製し、大脳皮質傷害部位の組織学的変化や傷害部位の大きさを測定する。さらに神経髄鞘や神経細胞、神経線維を染色し組織学的な観察評価を行う。その連続切片を用いて神経再生としてBrdU、新生神経細胞としてDCX、成熟神経細胞としてNeuN,酸化ストレスとして 8-OHdG, 4-HNE, アポトーシスとしてssDNA等の免疫染色を行い緑茶飲料による神経再生の効果を確認する。もう一方で、脳損傷部周囲組織からmRNA、タンパク質を抽出し、bFGF, NGF, BDNF, IGF1, GH等についての神経の再生や修復遺伝子及びタンパク質の発現を測定する。加えて脳損傷部周囲での過酸化脂質量の測定、酸化ストレスの評価を行う。上記作製した連続切片を用いてbFGF, NGF, BDNF, IGF1, GH, CNTF,の免疫染色を行い、発現している細胞を同定し作用機序の解明を行う。さらにクリオスタットにて凍結切片を作製しマイクロダイゼクション法にて組織を採取する。その2種類の組織サンプルをVoyger DE STRを用いてプロテオーム解析を行い、さらにGeneChip Systemを用いてマイクロアレイ解析を行う。以上の結果を踏まえて緑茶飲料における加齢ラット脳外傷への影響を評価する。
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