研究課題
2013年12月16日の文部科学省の「学校生活における健康管理に関する調査」中間報告において、我が国の小中高生の食物アレルギーの罹患率は4.5%(45万3,962人)と発表された。9 年前の同調査では2.6%であったことから、食物アレルギーの罹患率は現在なお急激な増加の一途を辿っていることが容易に伺える。本申請研究「簡便かつ迅速な食物アレルゲン検知法の開発と外食・中食オンサイト分析への利用」では、抗原抗体反応を基盤とする2種類の食物アレルゲン検知法を新たに開発し、学校給食、外食・中食等の様々な食環境におけるオンサイト分析に利用することにより、食物アレルギー患者のQOL改善を目指す。初年度は東京都内の公立小学校において高学年(4~6年生)を対象とした食物アレルギーに関する講義「食物アレルギーってなんだ?」、ラテラルフロー法を用いた実習(実験)「イムノクロマトグラフィーによる牛乳アレルゲン(カゼイン)の検出」を実施し、オンサイト分析を構築する際に重要な学術的理解度及び技術的習熟度について調査・分析した。その結果、小学校高学年(保護者を含む)の食物アレルギーに関する理解度は充分高いとは断定できないが、ラテラルフローを基盤とした実験については簡易分析法として適応可能な水準であることが推察された。
2: おおむね順調に進展している
平成27年度中の研究代表者の異動により研究ハード面の整備に時間を要し簡易分析法の開発が若干遅延したが、所期の研究計画は概ね順調に進展している。
平成28年度は磁気ビーズと発色系プローブを利用した簡易分析法を構築し、その有用性を評価する。
研究代表者の異動により実験計画を一部修正し、食物アレルゲン特異的なモノクローナル抗体の購入のための消耗品費を次年度に繰越し計上した。
次年度使用額については食物アレルゲン特異的なモノクローナル抗体の購入を含めた生化学的実験試薬・器具の購入に充てる。
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ファルマシア
巻: 51 ページ: 461