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2016 年度 実施状況報告書

簡便かつ迅速な食物アレルゲン検知法の開発と外食・中食オンサイト分析への利用

研究課題

研究課題/領域番号 15K00904
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

酒井 信夫  国立医薬品食品衛生研究所, 生活衛生化学部, 室長 (60370938)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード食物アレルギー / 簡易分析法
研究実績の概要

抗原抗体反応を基盤とするマルチプレックス分析法を構築するために必要な複合抗原溶液の調製と検出感度の確認を実施した。
【複合抗原溶液の調製】消費者庁次長通知「食品表示基準について」(消食表第139号平成27年3月30日)[別添] アレルゲンを含む食品に関する表示(別添3)に示される一次標準粉末を調製した。卵、乳、小麦、そば、落花生、甲殻類(エビ)の一次標準粉末に抽出用緩衝液[0.6%SDS及び0.1M Na2SO3を含有するPBS(pH 7.4)]を加え、低温条件下一昼夜撹晩抽出した。抽出液を遠心分離した後、上澄液をフィルターろ過し、標準品原液を調製した。最終濃度が各100 ng/mLとなるように、標準品原液をpH 7.4のPBSで希釈した後、0.2% BSAを含むのPBS(pH 7.4)で希釈し、卵、乳、小麦、そば、落花生、甲殻類の複合抗原溶液とした。
【検出感度の確認】検出感度の確認には食物アレルギーの簡易検査において使用される市販2社のイムノクロマトキットを用いた[両キットともに100 ng/mL以上(被検食品当たりに換算した場合約2 ppm以上)の濃度で検出可能]。複合抗原溶液を用いた確認試験を試みた結果、同濃度の単一抗原溶液と比較して小麦、そばを除く特定原材料の検出感度が低下した。複合抗原溶液の濃度が上昇することによりプロゾーン現象が生じることが懸念されたことから、固相化抗体量を調整することで検出感度が改善できると考えられた。他方、加工食品における表示の閾値が10 ppmとなっているため、検出感度が閾値を上回る場合には、マルチプレックス分析における特定原材料の組み合わせを再考する必要があるため追加の検討を実施する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

所期の計画を鑑みて、研究の進捗状況としては概ね順調に進展している。
加工食品における食物アレルギー表示制度に可能な限り準拠することを目標とし、消費者庁次長通知「食品表示基準について」(消食表第139号平成27年3月30日)[別添] アレルゲンを含む食品に関する表示(別添3)に示される一次標準粉末(卵、乳、小麦、そば、落花生、甲殻類)の作成に必要な原材料の入手に時間を要した。

今後の研究の推進方策

最終年度はイムノクロマトグラフィーを基盤とするマルチプレックス分析法、及び磁気ビーズと発色系プローブとを利用した簡易分析法を構築し、そのオンサイト分析における有用性を評価して課題を抽出する。

次年度使用額が生じた理由

研究計画の効率化を図り、試薬等消耗品の購入を必要最小限に留めた。次年度使用額は当該年度の所要額に対して1%未満(執行率99.4%)である。

次年度使用額の使用計画

次年度の試薬消耗品の購入に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 酸加水分解コムギの脱アミド化エピトープを特異的に認識するモノクローナル抗体を用いた抗原性の解析2017

    • 著者名/発表者名
      酒井信夫, 田原麻衣子, 中村里香, 中村亮介, 佐々木和実, 西嶋桂子, 安宅花子, T オリビエ, DP サンドラ, 佐藤奈由, 中村政志, 松永佳世子, 手島玲子, 安達玲子, 五十嵐良明
    • 学会等名
      日本薬学会第137年会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2017-03-24 – 2017-03-27
  • [学会発表] 小麦タンパク質加水分解の処理過程に伴う抗原性発現のエピトープ部位抗体を用いる解析2016

    • 著者名/発表者名
      手島玲子, 酒井信夫, 中村政志, 五十嵐良明, T. オリビエ, DP サンドラ, 松永佳世子
    • 学会等名
      第23回日本免疫毒性学会学術年会
    • 発表場所
      北九州
    • 年月日
      2016-09-05 – 2016-09-07

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公開日: 2018-01-16  

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