研究課題/領域番号 |
15K00907
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
荻野 和子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (40004353)
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研究分担者 |
荻野 博 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (00004292)
猿渡 英之 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30221287)
栗山 恭直 山形大学, 理学部, 教授 (50225273)
小俣 乾二 東北大学, 高度高等教育・学生支援機構, 助教 (70272010)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 科学教育 / 実験教材 / マイクロスケール実験 / ESD / イオン液体 / グリーンサステイナブルケミストリー |
研究実績の概要 |
1.学会における情報収集・成果発表: 2015年7月東京で開催された7th International Conference on Green and Sustainable Chemistry、9月に弘前大学で開催された平成27年度化学系学協会東北大会、12月にハワイで開催された環太平洋国際化学会議等で情報収集、成果発表を行なった。 2.代表者らが開発・改良してきたKO-DNPマイクロスケール実験キットを利用し、「持続可能な社会」の理解につながる実験教材を開発した。これらの教材は、宮城県大和町まほろばホール、福島市こむこむ、山形大学サイタセンター、仙台市旭ヶ丘市民センター、仙台市科学館でのときめきマイクロ実験教室で実践し,生徒の興味関心を集めるのに成功した。また、香川大学教育学部,東北大学で、上記教材を使った研修を教員志望学生を対象に行った。 3.新しい実験の開発:グリーンサステイナブルケミストリーの教育につながるイオン液体の実験教材を開発した。イオン液体を種々合成し、実際の反応に試みた。ラクトン化反応が効率よく進行することを確認した。 4.米国の教科書「ブラウン一般化学」を監訳した。これは、環境問題を化学の観点で考えグリーンケミストリーを扱っており、持続可能な社会のための化学実験の推進に役立つ。 5.マイクロスケール実験のサイト「マイクロスケールケミストリーフォーラム」http://microscale-exp.csj.jp/ に英語の論文を掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した計画(1.これまでに開発してきたMC実験をESDに適した形に修正する。「エネルギー学習」では、燃料電池を含むいろいろな電池、電気分解等を組み合わせて、化学エネルギー、熱エネルギー、電気エネルギー、光エネルギー、運動エネルギー等とそれらの相互変換についての実験のマニュアルをつくる。2.先端科学技術の理解につながるテーマを取り上げ、実験教材を開発する。3.高度なテーマの実験教材として高校化学で利用できる実験教材を開発する。)は、順調に推移しているからである。
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今後の研究の推進方策 |
1.高度なテーマ、先端科学技術の理解につながるテーマをさらに取り上げ、実験教材を開発する。立体化学、触媒などが候補である。 2.国内の学会ばかりではなく国際化学教育会議のような歴史のある国際会議で、情報収集を行うほか、研究発表を行い、研究成果を世界に広める。 3.マイクロスケール実験を初めとする持続可能な社会を支える人材の育成に役立つ化学実験の普及には、シンポジウム、ワークショップにより、情報を広げるとともに教員に体験してもらうことが重要である。そのために平成29年度に全国的なシンポジウムを開催する。
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次年度使用額が生じた理由 |
代表者は2015年にメキシコで開催された国際マイクロスケールケミストリーシンポジウムの参加を、分担者は国内学会への出席が所属組織内での職務の日程と重なって取りやめたことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年8月に国際化学教育会議がマレーシア国サラワク州で開催される。代表者は差額を使用して国際化学教育会議に出席し研究発表、情報収集とともに実験のワークショップを行う予定である。分担者は、国内学会の旅費等にあてる。
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