1. 国立歴史民俗博物館との連携で、色についての歴史学や武術と関連させた化学実験を開発した。 具体的には、幕末と明治初期に描かれた2枚の浮世絵に使われている赤色は、天然染料か合成染料かを化学実験、国立歴史民俗博物館(歴博)の資料、DICデジタルカラーガイドを活用して解明する内容である。また、この実験を中高理科教員志望学生に実施しながら改良した。改良した実験を中学生や高校生に実施したところ、その有効性が明らかになった。その成果を、「Development of a Chemistry Teaching Material~Color in Japaneses Histry~」としてICCE2016(マレーシア)で発表した。 2. 日本が誇る世界一の染色技術に関する映像教材の作成準備(台本作成、福井大学ロケ、東邦大学における収録) 具体的には、水を使わない環境調和型染色方法(超臨界二酸化炭素を用いる染色法)を取り上げ、福井大学産学官連携本部 客員教授の堀照夫先生のご指導のもと、染色システムのロケを実施した。また、NHKエデユケーショナルの西谷清治氏とともに、映像教材の構成を検討した。教材は、Green Sustainable Chemistryの視点に立った約9分の内容である。なお、台本作成にあたり、産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センター官能基変換チームの研究チーム長、JACI GSC普及啓発グループ座長の富永健一先生にご協力いただいた。
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