研究課題/領域番号 |
15K00947
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研究機関 | 大阪府立大学工業高等専門学校 |
研究代表者 |
藪 厚生 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90413806)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 教材用ロボット製作 / 自己位置推定 / アーム制御 |
研究実績の概要 |
ロボット本体に関しては,昨年度に判明した問題点についての改良を施した.そして製作したロボットの動作テストを実施した.ここではモデルケースとして小物運搬を想定している.ロボットの自己位置推定は,3m四方のフィールドとそのすぐ外側におよそ120度の間隔になるよう色により区別できるマーカーを配置し,これをランドマークとして用いる方法とした.これによりフィールドの隅では誤差が大きくなるが中央付近では十分に自己位置が測定できることを確認した.この方法でロボットがフィールド内の任意の位置から指定した位置へ移動できることを実験で確認した.また移動後にRGB-Dセンサにより,コップに見立てた紫色の紙を全周に貼り付けた塩ビパイプ(φ47)を色により認識することで,その位置データを取得し,そのデータをもとにロボット搭載のアームを連動させてパイプを把持できることを確認した.さらに発展課題として想定している段差昇降についても1段ではあるが,可能であることを実験で確認した.これら一連の実験によりロボット全体を制御するシステムも機能していることを確認できた.またこれらの実験と並行して2台目のロボットの製作を行った.このロボットは1台目の改良点を反映した上で,ほぼ同仕様のものである.この2台目もすでに完成しており,1台目と同じ実験を実施し,小物運搬が可能であることを確認している.現在は,この2台のロボットを用いた実験実習の実施に向け,実習書の準備を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
模擬実習は都合により実施できなかったが,ロボットそのものは,実験により動作を確認できており,またそれらの実験の一部は学生が実施したものも含まれているので,学生実験として実施できるものと考えている.現在は,当高専の5年生を対象に5月に授業として実験実施を予定しており,その準備を進めているところである.
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今後の研究の推進方策 |
ロボット2台がほぼ出来上がり,動作確認も実験で行っているが,ロボットのカバーについては,3Dプリンタの造形に関して大きなものはそりが発生しやすいという問題と重量的な問題があり,いまのところ製作できていない.これについてはそりの少ないフィラメントが市販されているので,これを用いることや,軽量化も検討していきたい.また今回ロボットに使用した全方位カメラについてはすでに販売が終了しており,新たな入手が困難となっている.そのため鏡面のステンレス半球を用いた全方位カメラを試作し,概要で述べた方法で自己位置推定が可能であることは確認できている.しかしマーカーの半球面への映りが小さく,場合によってはノイズに紛れてしまう可能性がある.よってもう一つの方法として180度の視野角をもつ魚眼レンズカメラの使用を検討している. 予定している実習終了後にアンケートをとり,テキストの改善やロボット本体の改良に役立てる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ計画通り予算を執行したが,サーボモータ等で実売価格が少し安くなった金額で購入できたことと,3Dプリンタによるロボットのカバーが製作できていないため,その分のフィラメント代が残ったため.
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次年度使用額の使用計画 |
ロボットの補修,改修費用としてサーボモータや3Dプリンタ用フィラメントなどの購入を計画している.
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