研究課題/領域番号 |
15K00952
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研究機関 | 熊本高等専門学校 |
研究代表者 |
松田 豊稔 熊本高等専門学校, その他部局等, 教授 (00157322)
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研究分担者 |
西山 英治 熊本高等専門学校, その他部局等, 教授 (00237752)
葉山 清輝 熊本高等専門学校, その他部局等, 教授 (00238148)
石橋 孝昭 熊本高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60455178)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ICTハードウェア教材 / 電子工作 / Arduino |
研究実績の概要 |
本申請課題では、電子工学や情報工学の初学者が、ICTのハードウェアデバイスの活用技術を習得するための実験教材をハノイ大学情報学部と共同で開発する。平成27年度の研究計画は、マイコンの周辺回路設計のための知識と技術を習得する教材開発のための調査及び学習項目と実験テーマの選定である。熊本高専側スタッフとハノイ大学情報学部スタッフで検討し、教材の作成方針を次のように定めた:○基本的な電子工作を通してマイコンの周辺回路設計の基礎知識を習得する;○マイコンとしてArduinoを利用する;○実験の中でANALOG DISCOVERYを用いて電圧などの測定法を学習する。Arduino は市販のワンボードマイコンで、ANALOG DISCOVERYはパソコンとUSB接続して使うデバイスで、電子工学や通信の実験に必要な計測装置や信号発生装置として利用することができる。 平成27年度中にハノイ大学情報学部の学生(2学年)を対象としてICTのハードウェアに関する実験を試行した。実験を行った授業は、科目名が Special Subject 2: Arduino で、3単位の15週(各週105分)、受講者数は40名(22名と18名の2クラス)であった。実験テーマと実験方法については高専側スタッフとQuan 教員とで検討し、電子工作 5 テーマ(ANALOG DISCOVERYを含む)とArduino 2 テーマ を選定し、実験(電子工作)は基本的な電子部品のパーツとANALOG DISCOVERYで実施できるようにした。実験テキスト(Introduction to hardware programming)は、Quan教員が中心となって英語で作成した。また、高専側では、光センサにArduinoを接続してセンサ出力をパソコンで処理する実験テーマを考案し、教材としての妥当性について検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の予定は、マイコンの周辺回路設計のための知識と技術を習得する教材開発のための調査及び学習項目と実験テーマの選定であったが、ハノイ大学情報学部の授業“Special Subject 2: Arduino”において、本研究で提案する実験を試行することになり、教材(実験テキストと実験部品等)を作成した。この教材を作成する課程において、学習項目と実験テーマの選定について検討しており、研究の進捗状況は予定通りである。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度にハノイ大学情報学部の授業“Special Subject 2: Arduino”ではアンケートを実施しており、今後はその結果を分析し、学習項目と実験テーマの充実を図る。例えば、学生に身近なICT技術に関連した内容を取り入れるなど、電子回路や通信工学の実験をほとんどやっていない学生でも興味を持つような実験教材となるようにする。平成28年度の後半では、開発した実験教材を熊本高専情報通信エレクトロニクス工学科の2年生に試行できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請予算で購入する装置(Analog discoeryを25台)が予算申請時よりも安く購入することができ、物品費が約14.8万円の残額となった。また、ハノイ大学での研究打合せの旅費が、計画より約6万円安く済んだ。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の計画では、熊本高専とハノイ大学のそれぞれ25の実験セットを揃える予定であったが、熊本高専では受講する学生が多く平成28年度に30セットを揃えることとし、平成27年度の残額はそのための経費とする。
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