2015 年度実施状況報告書

実験体感モデルサイエンス・チャート（階層化から描像化への統合）の構築

研究課題

研究課題/領域番号	15K00955
研究機関	国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
研究代表者	星屋泰二国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門関西光科学研究所管理部, 技術・技能職 (20446404)
研究期間 (年度)	2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード	サイエンス・チャート / サイエンスショー / パワーズ・オブ・テン / きっづ光科学館ふぉとん / 教員研修 / サイエンスフェスティバル
研究実績の概要	パワーズ・オブ・テン（POT）（十のべき乗で増大、減少）の概念をもとに、全体像把握のためのサイエンス・チャートモデルを提唱した。文理融合効果とサイエンスショー効果により、行動変容に繋がる発見と探究心の向上を確認した。 (1)社会連携型活動である教員研修では、環境・エネルギー分野における時間―エネルギー軸の階層化構造に、パワーズ・オブ・テン（POT）（十のべき乗で増大、減少）の概念を導入し、全体像の理解は大きく進んだ。また、身近な材料を用いた教材開発の考え方や発想を通して、目的の理解、体験の重視、分かる授業からなる「体験を通して理解する理科授業」の有効性を再認識した。 (2)不思議さの実体験を目指す地域共生型活動のサイエンスフェスティバルでは、児童・一般を対象としたサイエンスショーを通して、動機づけ・不思議さ・面白さの実体験を実践し、新たな発見や科学技術に対する興味・関心の喚起に奏功した。さらに、地域の特定非営利活動法人(NPO)からなる地域交流フェスティバルを科学フェスティバルに組み合わせた文理融合型イベントとして実践し、大きな相乗効果を得た。サイエンスショーの導入効果により、行動変容に繋がる新たな発見や、科学技術に対する興味・関心の増大等、好適な動機づけ・原体験効果が得られた。 (3)全体像の把握を主眼とした課題設定型活動の派遣講座では、授業の進捗度対応、学年別カリキュラム導入により、生命、化学分野で、探究心向上と持続的活動を通して理科教科への親和性が大きく向上した。また、持続的活動として実践継続することにより、課題解決型の活動となりうることを示した。
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 2: おおむね順調に進展している理由社会連携活動型では、教員研修を中心とした活動について、地域共生活動型では、行政・教育機関を中心とした活動について、課題設定型活動については、全体像の把握を中心とした派遣講座について各々、基礎データの集約を実践できた。これにより、内容の理解度が深まったこと、科学技術に対する興味、関心の喚起につながったこと、探究心の向上につながったことが得られ、次年度に向けた要素の組み合わせ効果、相乗効果の取得を目指して準備を進めている。
今後の研究の推進方策	今後は、科学史導入による文理融合アプローチ（仮説実験講座と科学論争体感実験）について、最適化された階層化構造の内容に関し、仮説実験講座と科学論争体感実験を積極的に導入し、カリキュラム全体の描像化を狙う。体感軸には、『きっかけエピソード』を、知識体系軸には『パラダイムシフト』からなる文理融合（科学史的）アプローチの直接的かつ間接的活用を進める。次に、マッピングサイエンス法の試行と全体像把握については、きっかけエピソード及びパラダイムシフトを踏まえた光マップ、エネルギーマップの作成を通して、マッピングサイエンス法の「見える化」により、階層化構造の展開と全体像把握を目指す。探索的因子分析及び共分散構造分析を併用したデータ評価から、支配因子を求め、効果測定する。