研究課題/領域番号 |
15K00959
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
長南 幸安 弘前大学, 教育学部, 教授 (30250674)
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研究分担者 |
勝川 健三 弘前大学, 教育学部, 准教授 (30735098)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | カーボンニュートラル / バイオエタノール / スイートソルガム / バイオマス / アルコール発酵 / エネルギー教育 / 環境教育 / 寒冷地 |
研究実績の概要 |
平成27年度及び28年度の知見に基づき、平成29年度も引き続き「スイートソルガム」の教材化に向けた検証作業を行った。 先ずは平成28年度の成果として見出した、農地や花壇の使用の必要性を無くし教育現場での栽培を簡便化した「袋栽培」の検証である。平成28年度で得られた知見に再現性があるかどうかに焦点を当てて、スイートソルガムの品種と栽培方法に関して最適化の検証を行った。比較として、定置栽培も並行して行い、こちらの方は穂の部分や幹の選別などを実施し、糖度が高まる栽培方法の模索も行った。結果として、定置栽培に比べて、袋栽培はやはり成長が阻害され同程度に成長することは出来なかったが、糖度に関しては遜色ないほどの数値を示し、アルコール発酵の実験において問題ないことが確認された。また定置栽培における糖度の向上については、測定データの検定で有意差は出なかった。 次に、平成27年度から28年度に開発した実験方法を用いて、指導案を作成し、教育現場での実証を行った。28年度は中学校1年次の理科の時間において、実践と検証を実施しており、この検証結果を踏まえて、29年度は中学校2年次の理科の時間で実施した。実践の検証として、28年度授業実践に参加した学生と、29年度に初めて参加した学生とのクロス集計を行い、カーボンニュートラルの概念導入の理解と定着を調査した。また授業時の実験として、蒸留の操作を組み込む改良も今回加えることにした。結果として、環境問題への理解と関心については、実践の有無にかかわらず非常に高い数値を示していること、学年が上がった2年次ではLCA(ライフサイクルアセスメント)の考えを示し、投じたエネルギー量との比較が重要である点に気づく生徒も出てきていることが明らかになった。 得られた結果は、学会発表などにより、積極的に公表することに努めた。
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