研究課題/領域番号 |
15K00964
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
鎌田 正裕 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20204604)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 無重力実験 / 航空機 / パラボリックフライト / 教員研修 / マイクログラビティー |
研究実績の概要 |
航空機を用いた教員研修は、東京学芸大学の理科教員高度支援センター(ASCeST)でH23 年より実施しているもので、主に小学校や中学校の理科の教員を対象に、理科における直接体験の重要性を再認識してもらうことを主目的に取り組んできた。本研究では、航空機研修の成果をより多くの教員がより多くの場面で活用できるようにするために、既存のプログラムをたたき台に、新たに航空機を用いた教員研修プログラムと教材の開発を行い、その活用の拡大を目指す。H27年度は、当初の計画通り下記の2点について研究を進めた。 1)課題実験の選定と実験装置の設計と組み立て、研修参加者向けの自由実験のマニュアルの作成 2)機内レイアウトの検討。従来は、間に合わせ的に各装置を配置していたが、映像化することを 念頭に、設置方法・撮影方法の最適化。
H27年度は、重量と質量の違いを視認させる実験装置の開発と、水や粉体を使用した実験(水滴同士の衝突実験など)を実施するための可搬型の実験環境(防水ケース)の開発に取り組んできた。開発された装置・器具は、いずれもパラボリック飛行を行う航空機に持ち込み、動画撮影に適したセッティング方法を検討するとともに、無重量状態でその性能を確認したところ、ほぼ期待通りの機能が確認できた。特に水を用いた実験は、以前より研修において、研修参加者から実施が望まれていたにも関わらず、機内で飛散した水が航空機の機器に影響を与える可能性があるために、なかなか許可にならなかったもので、今回開発された器具により、研修参加者が望む実験を機内で行うことができるようになると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教員研修用のマニュアルについては未着手ではあるが、同研修の課題実験で中心的なものになる、重量と質量の違いを認識させる装置の開発と、自由実験で扱えるテーマを大きく広げる(水を用いた実験を可能にする)ことのできる防水ケースの開発がほぼ完了したため。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度は、研修教員(2~3名)をテストフライトに同乗させ、H27年度に開発された装置を用いた実験を体験してもらい、その有効性や改善点等を明らかにする。同時に、当初の予定通り、研修プログラムの全体を見直し、特に講義の内容を電子化することで、自宅などでも学習できるシステムを構築する方法について検討する。 H27年度に、未着手であった、教員研修用のマニュアルについては、上記の講義内容の電子化とともに進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
開発対象となった実験装置の一部に既有の装置・素材を活用したり、DASより借用することで、想定していた費用が抑えられたため。
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次年度使用額の使用計画 |
パラボリックフライトの費用が値上されるため、その差額に充てる予定。
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