研究課題/領域番号 |
15K00972
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
松永 泰弘 静岡大学, 教育学部, 教授 (80181741)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | オートマタ / 受動歩行模型 / 形状記憶合金エンジンカー / 天賦式時計 / 動くおもちゃ / 歩行ロボット |
研究実績の概要 |
本研究では、これまでの科学研究費による成果をさらに発展させ、子どもたちが自ら学習に取り組み、主体的に問題を見つけ解決する21世紀の技術教育、21世紀型スキルを獲得するための授業を開発し、その評価を行うために、「Showers/Waves-of-Emotion 理論」に基づく科学技術ものづくり教材と内発的動機づけに関する研究を実施している。独自に開発してきた子どもたちが創意工夫し、学びに熱中する教材を取り上げ、幼稚園・小中学校のものづくりにおける創意工夫教材、ロボット教材、科学を追及する科学技術ものづくり教材として以下の6本柱で開発・改良中である。 ① 形状記憶合金を用いた教材:形状記憶合金エンジンカーでは熱源に自然エネルギーを用い、より身近なエネルギー教材として開発中である。② 位置エネルギーを利用した受動歩行教材:レーザー加工を用いた組立式2足および4足受動歩行模型が開発され、弱いロボットとして人間との関係性について新たな意義づけを行っている。③ サーボモータを用いた2足歩行ロボット:子どもたちの共同作業ロボットを開発中である。④ 時を刻むからくりを用いた機械式振子時計・天賦式時計:天賦式時計の開発に重点を置き、正確に時を刻むためのパラメータの条件を探っている。⑤ 芸術性と鑑賞者を意識した制作を伴うオートマタ教材:STEAM教育の設計教材として、教員側のハードルを下げる教材が開発されている。⑥ 幼小対象の動作原理を追究する動くおもちゃ教材:これまでの教材を森の材料で幼児が製作できる教材として開発している。 教材を用いた実践では、国内においては在日ブラジル人学校EAS、三重県大台町三瀬谷小学校、三瀬谷保育園、国外においてはGANZAM School No.20(Mongol)、Mermaid Waters(Australia)、カーザ・デイ・バンビーニ(Italy)で実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
科学を追及する科学技術ものづくり教材の開発・改良の6本柱は以下の通りである。①と③に関しては現時点で公表できない内容を含んでいるが、すべての内容で新奇性のある教材が開発されている。 ① 形状記憶合金エンジンカーでは熱源に自然エネルギーを用い、より身近なエネルギー教材として開発中である。② レーザー加工を用いた組立式2足および4足受動歩行模型が開発され、弱いロボットとして人間との関係性について新たな意義づけを行っている。③ 子どもたちの共同作業ロボットを開発中である。④ 天賦式時計の開発に重点を置き、正確に時を刻むためのパラメータの条件を探っている。⑤ STEAM教育の設計教材として、教員側のハードルを下げる教材開発がなされている。⑥ これまでの教材を森の材料で幼児が製作できる教材として開発している。 教材を用いた実践では、国内においては在日ブラジル人学校Escola Alegria de Saber、三重県大台町三瀬谷小学校・保育園、国外においてはGANZAM School No.20(Mongol)、Mermaid Waters(Australia)、カーザ・デイ・バンビーニ子どもの家(Italy)で実施している。子どもたちの変化を子どもたち、保護者、教師(保育者)のアンケートの3種類のアンケートから、質的分析および定量的分析により、明らかにしている。また、QOL調査アンケートを参考にアンケートを作成・実施し、自己肯定感との関係についても調べている。 教材を国内・国外に広める活動も計画以上の進展である。オートマタの国内第1回作品コンテストを第1人者の4名の作家さんを審査員に開催した。
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今後の研究の推進方策 |
科学を追及する科学技術ものづくり教材の開発・改良を6本柱で進めていく。①と③に関しては現時点で公表できない内容を含んでいるが、それ以外では新たな内容で新奇性のある教材を開発する。 ② レーザー加工を用いた受動歩行模型の種類を増やし、弱いロボットとして人間との関係性について調べる。④ 時天賦式時計の開発に重点を置き、正確に時を刻むためのパラメータの条件を明らかにし、時計教材の種類を増やす。⑤ STEAM教育の設計教材として、教員側のハードルを下げる教材をさらに開発する。⑥ 幼小対象の動作原理を追究する動くおもちゃ教材:保育者がその動作原理を理解できるような平易な言葉による説明書の作成、教材の開発・改良を行う。 新たな開発として、絵本の主人公が動き出す教材、動くおもちゃものづくり絵本教材の開発、森の子ども園で製作するおもちゃ教材の開発、中学校技術用の蒸気エンジンカー教材の開発を行う。 教材を国内・国外に広める活動を進める。オートマタの国内第2回作品コンテストを開催し、それと同時に世界大会の開催を模索する。日本語版・英語版の動くおもちゃ教材解説書の作成を行う。開発したおもちゃを大量に製作する方策を探し、海外での実践を進める。
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