研究課題/領域番号 |
15K00974
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
下村 勉 三重大学, 教育学部, 非常勤講師 (80150217)
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研究分担者 |
須曽野 仁志 三重大学, 教育学部, 教授 (50293767)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ICT活用指導力 / 思考力・判断力・表現力 / グループ支援学習 / Moodle / eポートフォリオ / プログラミング教育 |
研究実績の概要 |
ICT(情報通信技術)を積極的に活用して、児童生徒が互いに教え合い学び合う協働的な学び(学びのイノベーション)の実現には、教員の「ICT 活用指導能力」が不可欠であるが、特に「児童・生徒の ICT 活用 を指導する能力」が重要である。 本研究は、これまで筆者らが行ってきた教員養成におけるICT活用授業や教員研修を発展させて、来るべき学習者一人一台の情報端末時代における「学びのイノベーション」を実現できる「ICT活用指導力」を育成するプログラムを開発することを目的とする。 教育学部教員養成において、申請者らが担当するICT活用授業「教育の方法と技術」 及び「情報科教育法」を主な対象とした。授業は、「情報発信の重視」「学習成果の共有・継承」「グループ支援学習」「学習者の相互評価」を基本スタイルとして、アクティブラーニング形式で展開した。具体的には、Moodle 上に参画型データベースを構築し、学習成果としてのデジタル作品や体験アドバイスなどを登録・蓄積し、学習成果の継承を重視した。また、作成途上の作品をMoodleにアップし、互いにコメントし、作品の改善に役立てた。活動後には、「三重大eポートフォリオシステム」を用いて、振り返り活動を強化した。さらに、「Scratchを用いたプログラミング」の充実をはかり、ICT 活用指導力の1つとしてプログラミング教育を位置付けた。 本研究でのICT活用授業の基本スタイルは相互に関連して有効に機能している。たとえば、学習成果としての統計グラフ作品は、統計グラフ三重県コンクールで上位入賞を継続している。授業の満足度も高く、本ICT活用授業における「ICT活用指導力育成」の可能性が十分に見いだせた。振り返り活動の強化は一定の成果が見られたが、まだ改善の余地も大きい。「Scratchによるプログラミング」も、学習者から高い関心・評価が得られた。
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