研究実績の概要 |
ゲノム編集技術の社会受容に向けて、現状と課題を明確化するため、ゲノム編集および遺伝子組換えに対する一般市民の意識調査を行った。20代・30代・40代・50代・60歳以上の男女 計2,000名を調査対象者と設定し、マクロミル社へ委託してWEBアンケート調査を実施した。その結果、当初設定より若干多い、計2,060名(各年代の男女各206名)から有効な回答が得られた。 調査項目には、「遺伝子組換え」と「ゲノム編集」に関する知識や情報源を問う内容、「安全性」および「有用性」に関しての意識、「遺伝子組換え技術」「ゲノム編集技術」への期待度と内容、などを設定した。 「遺伝子組換え技術」に対しては7割以上が何らかの情報を得ているのに対し、「ゲノム編集技術」に対しては6割弱にとどまった。女性よりも男性の方が、また、性別に関わらず年代が上がるほど情報を得ている、といった傾向がみられた。情報源としては「新聞・テレビ」が最も多く、次いで「インターネットによる関連サイトの検索」であった。20代では「教科書・参考書」という回答もみられた。「安全性」と「有用性」に関して、安全な印象を持っているのは3割前後、有用性を感じているのは6割前後であった。「品種改良」については8割以上、「遺伝子治療」については7割前後が有用と捉えていた。「遺伝子組換え/ゲノム編集で作製した食品を食べても良いと思うか」との質問に対しては、「遺伝子組換え食品」では5割弱、「ゲノム編集技術で作製した食品」では4割強が「食べても良い」と回答し、男女とも年代が上がるほど「食べたくない」と回答する割合が増える傾向が見られた。技術開発の進め方については、「ホームページやパンフレットでの成果発表」「教科書などへの掲載」などに比べ、「国や政府が明確なガイドラインを作る」「国民がわかりやすい食品表示の提供」といった要望がいずれも半数を超えていた。
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