研究課題/領域番号 |
15K00982
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
有光 隆 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (20151186)
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研究分担者 |
八木 秀次 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (40036471)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 科学コミュニケーション / 科学史 / 力学 |
研究実績の概要 |
研究計画では「前年度までに完成したサンプル教材を愛媛県内の高校に送付しアンケート調査する」計画であったが,イラスト作成が遅れ教材が未完成である.遅れていたイラストは3月末に全体の1/3程度完成した.主として教材作成に直接的な関わりのないことを中心に研究を進めた. 現在,中・高校において使用されている教科書において取り上げられている人物・教科・内容を調査した.中学校での歴史は大部分が日本史であるため,力学の発展に貢献した人物は理科・数学を中心に取り上げられている.高校では,理科・数学において人物に関する記述が大幅に減り,世界史・倫理において記述が非常に多い.したがって,高校の理系コースの生徒は選択科目によっては人物名を学校教育で聞いたことがない可能性がある.一方,文系コースの生徒は人物名を知っていても力学への貢献や内容に関心がない可能性がある.また,複数の分野で学習することにより,複数の業績が同一人物によるもであったりすること(例えばフックの法則と細胞の発見者,パスカルの法則とパンセの著者など)のように関連性を認識しにくい状況にある.人物に焦点を当て歴史的に解説するとこれらの問題点を克服し易いと考えられる. 大学生対象の共通教育科目において,教材で取り挙げる予定の人物に関して知名度を調査したところ,高校までに教科書で学習する事柄と強い相関が認められた.これらの調査内容は「「歴史をたどる力学教育」の構想 -中・高校の教科書における物理学者の記述-」と題して第65回工学教育研究講演会において口頭発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
イラストの描画作業開始が遅くなり,結果としてイラストを含めた教材作成が遅れている.予定しているイラスト147点は既に依頼済みで,うち44点は3月末までに完成した.
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今後の研究の推進方策 |
未完成のイラストを急ぎ,教材の完成を急ぐ. イラストは3月末までに全体の1/3程度が完成したが,イラストの趣旨などの打ち合わせと修正はこれからの作業となる.また,残りのイラストは分納して,教材作成と並行作業を予定している. 教材作成後のアンケート調査と教材の改善を考慮すると,残り1年で全てを終わることは困難と思われるので,1年の延長を含めて計画を修正する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
教材に使用するイラスト147点のうち44点しか完成しておらず,この費用が未使用になっている.既にイラストの内容については発注済みで,次年度の使用額の大半はこの費用に充てる.
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