東海地方を代表する陸水環境である湧水湿地を用いて、地域の自然環境について実感を伴い学ぶことができる教材の開発を行った。まず情報が極めて少ない湧水湿地の水質の特性を明らかにするために2年間の観測を行った。その結果、珪酸濃度から、湧水が滞留している地質を、電気伝導度と溶存無機態窒素濃度から人間活動の影響を推定できることがわかった。名古屋市と豊田市での観測結果から、人間活動は湧水水質に大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。これらの観測結果を用いて、小学校5年生「理科」の「流れる水の働き」の単元で授業実践を行い、湧水は自然と人間との関係を理解させる教材として適していることが確認された。
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