研究課題/領域番号 |
15K00996
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
中西 通雄 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (30227847)
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研究分担者 |
大谷 卓史 吉備国際大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50389003)
杉山 典正 大阪工業大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90368150)
越智 徹 大阪工業大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10352048)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 消費者教育 / 技術者倫理 |
研究実績の概要 |
初年度の実施計画では、主に4つの柱をたてていた。まず、(1)教育カリキュラムの現状調査については、いくつかの事例を収集しているが、具体的な授業内容まで踏み込んだ収集まではできていない。(2)新しいモデルカリキュラムの策定は、(a)全般的な技術倫理、(b)情報技術に直結した技術者倫理、(c)個人情報・プライバシー問題、(d)著作権等の知的財産、および(e)消費者への配慮の5つのテーマで構成している。それぞれのテーマについて、主担当者と副担当者を定めて研究をしているところである。(3)初年度の後半には、モデルカリキュラムの全体構成を決め、まずはテキストベース(図表は含む)で事例中心の教材を作成する予定であったが、この部分が少し遅れ気味である。技術倫理関連では、消費者に対する安全性の責任面を考えているところである。最後の(4)の電子化教材については、当初予定では Mac mini等でiOS Developer プログラム環境を整備し、iOS向けアプリケーションの簡単な試作を行う予定であったが、Android でも動作できるように HTML5 の利用も検討中である。12月には、初年度前半の研究成果をまとめて、電子情報通信学会の技術と社会・倫理研究会(SITE)で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
根本的には研究代表者による進捗促進が弱かったことによると考えている。そのほか、思いのほか工学系学部教育における消費者教育の実施事例が少なかったこともあるが、逆に言えばこのことは、本科研の研究成果として実施事例を積み重ねていくことの重要性がより高いものであるという認識につながっている。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の実施内容が、申請時の計画より少し遅れているため、共同研究者間の連絡を密にして、鋭意推進していく。2年目の目標は基本的には申請時どおりであり、以下の内容を実施する。 (1)教材作成を本格的に行う。同時に、作成した教材を一部の授業で用いて、追加・改良すべき内容を抽出する。受講者による評価もできるだけオンラインで実施できるよう、本学情報センターのmoodle、あるいはC-Learningシステムを利用するなど工夫する。また、九州先端科学技術研究所ISITで提供されているLab. Cloud を利用して、まずはSPOC (Small Private Online Course)としての利用形態も試行とする。(2)特に個人情報・プライバシー関連についてはタイムリーな教材を用意する。(3)国際会議や電子情報通信学会SITE研究会等で評価の途中経過を発表するなどして、様々な研究者との意見交換を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、欧米等の工学系学部における消費者教育に関する調査のための海外出張旅費を挙げていたが、適切な教育事例あるいは国際会議等を見つけることができなかったことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
さらに事例を調査をすすめて、国内外の適切な会議等に参加、あるいは研究者を訪問するなどして、情報入手を進めていく。また、作成中の教材を授業で使用できるようにシステム構築を進める。
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