研究課題/領域番号 |
15K00997
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
佐藤 美子 四天王寺大学, 教育学部, 講師 (50734521)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | マイクロスケール実験 / 考える力の育成 / 個別実験 / 教材開発 / 授業実践 |
研究実績の概要 |
本年度においても、研究目的であるマイクロスケール実験を活用した、「考える力の育成を図る実験の個別化と授業実践」に向けて教材開発と授業実践を行い、その成果を学会発表、論文などの執筆をとおして公表することに取り組んできた。 特に「考える力の育成」には、実験結果の詳細な観察が重要であり、結果をまとめる技能、発表能力などの表現力の育成も不可欠である。そのため、個別実験を可能にする教材開発およびそれらを使った授業実践を行ってきた。昨年度経費で購入したタブレット等のICTの活用も継続して行った。具体的にはタブレットを各班に配置し、学習者が主体となる授業展開を積極的に実施し、「考える力の育成」につなげる試みを行った。また、実験の個別化にあたっては、児童・生徒の一人ひとりが主体的に取り組み、かつ授業者が可能な限り短時間に準備と片付けができるように、器具の小型化、操作の簡略化、器具の扱いやすさなどを優先した実験器具の開発に重点をおいた。具体的には、昨年度から継続して、呈色板を用いた教材開発と授業実践を積極的に行い、本年度は小学校3年理科、中学校3年理科の学習事項に関連して「導通テストキット」の作製を含む教材開発に積極的に取り組んだ。 研究成果については、学会発表や論文投稿を行い、学校現場におけるマイクロスケール実験の普及のため、兵庫県加古川市立中学校科学教育推進部会や神戸市立中学校の理科部会などにおいてマイクロスケール実験の入門的、解説記事の執筆も行った。また、研究成果の社会還元の一環として、「ひらめきときめきサイエンス」や科学館での実験教室や、男女共同参画主宰による実験教室など、いろいろな場で考える力を育成する取り組みとして、マイクロスケール実験を紹介し、活動を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H28年度は研究2年目として、計画通りに遂行していた。「考える力の育成」をはかる実験教材の開発、授業実践の一部、研究成果の公表(論文、著書、学会発表、解説書の執筆等)も、当初の目標に沿ってすすめることができた。 特に本年度は、開発した実験方法の普及に取り組み、実験の紹介をいろいろな場で行うことができた。また、アンケート集計と分析の方法を検討し、より児童・生徒の実態を把握できるように努力をした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(H29年度)は、研究期間の最終年度として、特に授業実践の機会を増やし、アンケート調査と分析に取り組む予定である。開発した教材や考える力を培う授業方法についてもさらに改善し、検討していく予定である。授業実践においては、児童・生徒の持つ科学的な概念が、個別実験によってどのように変容していくかに注目して授業実践に取り組む。さらにマイクロスケール実験にICTを活用したアクティブラーニングの手法も取り入れながら、「考える力の育成」につながる授業を開発し、研究目的への達成度をあげ、最終年度としての研究成果のまとめにつなげたい。また、授業実践だけでなく科学館等での実験教室も積極的に取り組み、研究成果の社会還元も図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
消費税額などの見積もりにより誤差が生じた
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次年度使用額の使用計画 |
残額が少額なので、次年度の計画のなかで使用の予定である。
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