本研究は,学習者としての大学生がグローバルシティズンへと成長するしくみについて事例調査,理論的考察,実証的検証(実践)に基づいて構築することを目的とした。最終年度のとりまとめとして本年度は,これまでにパイロット実践を繰り返し行ってきた「野生動物と人との共存」教材の開発手法と評価の方法について成果をまとめた。国際会議における公表と学術界複数人で執筆する図書での公表につとめた。 本研究では環境倫理に着目して,教材開発に着手してきた。主に大学生と近隣の動物園における来園者をターゲットとして行ってきた。動物園に存在する固有の動物を扱いながら生物多様性問題の意識につながる物語教材を開発した。研究を通して,動物の生息地にある環境問題や共生問題について理解し,熟考し,態度化できる内容をプログラム要素として組み入れることで,大学生だけでなく広く一般の人々にも理解可能な知的側面と情緒的側面が育まれることが分かった。 研究成果はThe 10th World Environmental Education Congress(タイ・バンコク)において発表した。また,成果はCulture and Environment(D.Zandvliet (Ed.))という図書のチャプターとしてまとめて公表した。
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