研究課題/領域番号 |
15K00999
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研究機関 | 大阪成蹊短期大学 |
研究代表者 |
藤崎 亜由子 大阪成蹊短期大学, その他部局等, 准教授 (50411690)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 虫あそび / 昆虫観 / 生命観 |
研究実績の概要 |
本研究は、自然教育の重要な端緒である幼児期に焦点をあて、虫と出会うことの教育的意義を深く探求し、「園庭の虫あそび図鑑」の作成や「保育者養成教材の開発」という実践的成果へと結実させることを目的とする。そのために、以下の4点からアプローチを行っている。A「幼児の虫体験の生態学的調査と分析」、B「園庭の虫あそび図鑑の作成」、C「保育者養成教材の作成」、D「虫体験の教育的意義の理論化」である。具体的には、これまで10年以上にわたって、研究代表者および連携研究者が蓄積してきた幼児の虫体験のデータを分析し、教育的に有用な虫体験を理論的に精査する。そのうえで、「園庭の虫あそび図鑑」の作成に向けて、「昆虫写真」を撮影して、昆虫の種名を同定する。最後に、保育者養成教材としても有益なものとなるように、「園庭の虫あそび図鑑」を完成させ、運用を行う。 平成27年度は、A「幼児の虫体験の生態学的調査と分析」およびB「園庭の虫あそび図鑑の作成」を中心に研究を進めてきた。週に1回幼稚園において子どもたちの虫あそびの様子を観察し、ビデオに収め、その書き起こし作業を進めている。また、園庭の虫あそび図鑑を作成するための虫の撮影をすすめ、1年を通して園でみられる虫の写真撮影を行った。また、保育者の昆虫や生命に対する認識を調べるために保育者養成校においてアンケート調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
園庭における昆虫類の撮影は順調に進んでいる。平成27年度に撮影した虫の写真については、ほぼ同定も終了した。また、子どもたちの虫あそびの様子を書き起こす作業も現在進めている。保育者養成校の学生へのアンケートについては一部分析が終わり、学会でのポスター発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度も引き続き、A:幼児の虫体験の生態学的調査と分析を進めていく。その中で、特に子どもたちにとって有用な虫体験について抽出を行い、「園庭の虫あそび図鑑」へと有機的な結合を行う。B:園庭の虫あそび図鑑の作成:平成28年度も引き続き、園庭に生息する虫の写真撮影と種名の同定、昆虫標本の作製を続行する。その上で、「園庭の虫あそび図鑑」の試作版を作成する。また、D:虫体験の教育的意義の理論化については、幼児教育において虫と出会うことの積極的意義を理論的にまとめるために、幼児教育における虫あそびの実践および理論について文献を整理したい。
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