本研究は協調的な問題解決スキルを身につける科学教育プログラムを地域連携活動において構築する。さらにそのプログラムは、地域のかかえる女性エンジニア不足を支援するために女子の理系進路選択に寄与できるものとする。具体的には女子大学生が推進するプロジェクトに女子高校生が参画し、理系進路選択の契機とする。プロジェクトは地域の科学啓蒙イベントを運営するものとし、中学生がゲスト(これに関しては男子・女子は不問とし広く参加してもらう)となる。世代の異なる者同士が集まり、プロジェクトを進めることで協調的な問題解決スキルを身につける。科学について話の花を咲かせる体制をつくることで、高校生の理系進路選択を思考する機会を増加させる。地域の中学生は科学啓蒙イベントに参加し、それを科学系の部活として楽しむ機会を得ることができる。本研究では大学・高校・中学の3世代間の学生・生徒の交流を通して科学に対して広角的な興味を持つようにし、特に女子生徒の理系進路選択を支援していこうというものである。 平成29年度は昨年度に引き続き、以下について実施した。1)小規模空間でコミュニケーションを重視した科学啓蒙活動を実施するプロジェクトを検討し整備した。学生・生徒が1名に対して来場者が2名程度の規模を想定し、科学をテーマできる実験や工作講座を実施した。2)ユニバーサルデザインをテーマにチーム活動を実施するプロジェクトを検討し整備した。高齢者に使いやすいカップをチームでデザインするためのプロジェクトを実践した。3)宇宙紀行ソフトMitakaを操作しながら独自のシナリオを披露するものを検討・整備し、高齢者施設での慰問や地域での科学啓蒙イベントにおいて実践した。
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