研究課題/領域番号 |
15K01005
|
研究機関 | 有明工業高等専門学校 |
研究代表者 |
堀田 源治 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (30510565)
|
研究分担者 |
石川 洋平 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (50435476)
堀田 孝之 有明工業高等専門学校, 教育研究技術支援センター, 技術専門職員 (80450146)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 新形行動特性試験機 / 行動特性 / 危険度数 / 行動観察 / 田口メソッド |
研究実績の概要 |
当該年度においては,行動特性を測定する新形の基本行動特性測定試験機を製作して,学生約200人,企業従業員約50名を被験者として各人の行動特性の測定を実施して,3行動要素(リスク予測,リスク回避,リスク伝達)の強弱の違いをチャートに自動描画して,田口メソッドにより,行動特性の型をいくつかに分類した。非定常作業においては,3行動要素は連続して現れるのが一般的であるので,実験機はレール上に予測域,危険域,伝達域を設け,自動車模型を連続走行させることで,模型車両運転時の注意力配,危険回避,次ドライバーへのアドバイスに関する意識の高さを加速度波形などで定量的に測定できるものとした。また,基本行動特性測定試験機による作業者の実権の様子の観察とビデオ撮影による行動観察から,作業に関する危険度をいくつかのパラメータとして抽出し,得られたデータから各行動特性の危険度数として数値化することができた。また,この危険度合いは従来の研究結果とも合致が見られたため,当該年度の研究は予定通りの成果を挙げたことが確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
行動特性試験のデータの信頼性は試験機の構造と基本行動要素の把握の方法が大きく影響するために,昨年度の試験機を大幅に改造して完全手動式にすると共に車両の走行距離を長く(予測域,回避行動域,伝達域の行程長さを延長)することで被験者の行動特性を引き出す精度が向上したことが研究計画を順調に推移できた一番の理由と考える。
|
今後の研究の推進方策 |
危険度数の測定結果より,危険な行動をする傾向にあると判断される行動個性の型に属する被験者のグループを作り、それぞれの型に合った項目によって教育・訓練を行う。教育・訓練のカリキュラムについては過去の研究実績や従来からの研究,心理学的な諸データの活用によって行う。上記の教育・訓練を行った被験者に対して再び試験機(行動特性測定試験機)を使用した作業を行わせ、教育・訓練の前と後とでの各人の危険度数率を比較することで,教育効果について調べる.各被験者の危険度度数率が改善される傾向にあれば,教育効果が見られたと,判断する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
基本的には3年計画の研究であり,現在2/3が終了した時点で来年度の研究費を確保しておく必要性からの計画的費用運用である。
|
次年度使用額の使用計画 |
来年度は本研究の最大の課題に対応するために,行動特性試験機の3号機開発,教育カリキュラムの開発,市販心理テストの活用,専用トレーナーの育成やアドバイザーの活用などに加えて国際会議2件や特許出願など大きな費用の使用計画がある。
|