研究課題/領域番号 |
15K01005
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研究機関 | 有明工業高等専門学校 |
研究代表者 |
堀田 源治 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (30510565)
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研究分担者 |
石川 洋平 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (50435476)
堀田 孝之 有明工業高等専門学校, 教育研究技術支援センター, 技術専門職員 (80450146)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 非定常作業 / 行動特性 / 基本行動要素 / 行動特性の型 / 危険度合い / 型別グループ教育 |
研究実績の概要 |
最終年度においては、申請書の予定通りに、新安全教育の効果検証を実施した。行動特性の測定を実験的に行った後に被験者について危険な行動をする傾向にあると判断される行動個性の3つの型(不注意型、無意識型、リスクテイキング型)に属する被験者のグループを作り、それぞれの型に適した教材を作成して教育を行った。不注意型型の教育の要点は,①傾聴力,②予想力,③注意力の強化と考え、①教師の発言を聴き取り,発言通りに再現させる,②事故事例写真で行動の結果を予測させる,③文字を指示通りに指で示すことで常に注意継続を促す教育・訓練教材とした.また,無意識型の教育の要点は①無欲・無関心,②意識集中不得手,③本能・習慣行動の是正と考え、①教育・訓練の決意表明を皆の前でさせることで職場安全の責任についての認識を高めさせる,②図版を見せ,図形と数字の規則性に早く気づくほど高得点とすることで,作業しながらも予測し続ける癖をつけさせる,③いくつかの指の形のパターンを繰り返させ,本能的に指の形が崩れないように意識を継続するような訓練を考案した.リスクテイキング型の教育の要点は,①冷静なリスク感受,②自己顕示欲の抑制,③倫理観の意識と考え,①自分なりのリスクテイキング行動を自省して貰い,教育受講に対する心構えと教育後の成果を皆の前で発表する,②工学倫理の問題に解答して貰うことで効用に走る行動の危険性に気づかせる,③リスクテイキングが発生し易い写真を見せ,行動が安全検出についての見解を聴くことでリスクテイキング行動が及ぼす悪影響について認識させるような教育・訓練内容を考えた.また,全ての型に共通して自分の持つ行動個性についての説明を各人に行った.以上の教育訓練後に再度行動特性を測定したところ、3つの型ともに改善が見られ、本研究のテーマである行動の型別グループによる新しい安全教育方法についての有効性が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書で計画した実験やデータの解析については、27年度中は計画通りの進捗であったが、28年度に内科手術のために約半年間の安静・加療が必要となり、28年度計画に遅れが生じた。その後29年度に向けて実験や解析時間のためのエフォートを増やし、研究に専念しておおむね当初の計画通りの研究ができたが成果の確認が29年度末となり、成果発表等が来年度に持ち越されている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題については、ほぼ期待通りの成果を確認することができ、今後は3年間の研究の成果を国際社会へ向けて発表(学会発表、特許準備)する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に内科手術と加療・静養のために研究計画よりも進捗が遅れ、平成29年度末に研究目標である成果を出したため、国際学会等への研究成果発表が次年度に必要。使用計画としては平成30年6月に新潟で開催される7th Asian Conference on Engineering Educationや 9月にスペインで開催される17th International Conference on Fracture and Damage Mechanicsでの参加登録、旅費・交通費に充当する予定である。
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