研究課題/領域番号 |
15K01009
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研究機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基 |
研究代表者 |
西澤 秀喜 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基, 能力開発院, 准教授 (40648987)
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研究分担者 |
吉田 競人 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基, 能力開発院, 准教授 (70648914)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 技能工育成 / 施工実習 / AR / BIM / 建築躯体 / 重畳表示 / 3次元モデル / 教育訓練 |
研究実績の概要 |
建設産業全体に関わる重要な課題として、「担い手の確保・育成」が挙げられる。とりわけ、建築躯体工事に関する技能工が全国的に不足している。建築生産を担う技能工や施工管理技術者を、短期間に効率的に育成するためには、教室で行う講義に加えて、実物大の施工実習が効果的である。 施工実習の教材は、これまで2次元図面が主体であった。これが初心者にとっては難解で、平面図・立面図・断面図を見比べても、構造物が完成した状態の立体形状を頭の中にイメージすることができなかった。それが技能・技術の習得を妨げていた。 本研究のテーマは、AR(拡張現実)技術を応用して、2次元図面の上にかざした携帯端末に3次元の完成モデルを重畳表示し、初心者のイメージづくりをサポートすることで施工実習における技能・技術の習得を促進するものである。 研究期間の2年目となる本年度においては、既に制作した「鉄筋工事用」のAR教材に加えて、「型枠工事用」「住宅基礎工事用」「柱-梁の複合モデル用」のAR教材を制作した。これらは、2次元図面の上に3次元の完成モデルを重畳表示するARコンテンツだけでなく、3次元の施工手順図と施工手順動画を加えたもの(新型教材群と称する)であり、施工実習授業の受講者自身の携帯端末で操作・活用できることから、技能・技術の習得に大幅な効果が期待できる。 このような初心者にもわかりやすい施工実習用の新型教材群を、北海道・千葉・高知の職業能力開発促進センターにおける職業訓練の施工実習授業に導入し、教育訓練現場での運用を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究テーマが目指した、2次元図面上に3次元完成モデルを重畳表示する仕組みを完成させた。また、初心者にもわかりやすい施工実習用教材として、ARコンテンツと3次元の施工手順図や施工手順動画を組み合わせた新型教材群を開発した。さらに、「鉄筋工事用」「型枠工事用」「住宅基礎工事用」「柱-梁の複合モデル用」の4種の施工実習に対応できる新型教材群の制作を完了し、3箇所の職業能力開発促進センターにおいて運用を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの開発は、AR技術の中で、目印画像を利用するマーカー型を活用してきた。今後、GPSの位置情報を活用するロケーション型のAR教材開発を進める。また、教育訓練現場での実施状況を観察し、開発した新型教材群にフィードバックして、改善を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の機器の発売が遅延しているため。
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次年度使用額の使用計画 |
間もなく発売される予定であり、直ちに取得して研究開発を進める。さらに発売が遅延する場合には、代替品の購入を検討する。
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