研究課題/領域番号 |
15K01025
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
江木 啓訓 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30422504)
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研究分担者 |
尾澤 重知 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (50386661)
森 裕生 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (00758617)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 教授学習支援システム / 対面授業支援システム / 学習管理システム / 教育工学 / ウェアラブルコンピューティング |
研究実績の概要 |
平成28年度について,以下の通り取り組みを進めた.研究代表者の異動に伴い,実験対象を現所属機関で授業運営を統括している全学の情報基礎科目と定めた.このうち,後期の基礎プログラミングの授業を対象とし,バックグラウンドデータを取得するための連携システムを実装した.これらの授業の学習状況は学習管理システム(LMS)に蓄積されているため,出席,小テストおよびプログラム開発課題の状況をリアルタイムに取得した. 次に,対象学生およびその着席位置を識別するために,教室内のBLEタグを用いた計測調査を行った.BLEタグをコンピュータ教室内の各端末に配置し,携帯端末を用いて机間指導のための特定精度を調査した.この結果,識別精度の向上のために設置および読み取りの工夫が必要であることが明らかになった. しかしながら,これらの改善が授業実践の開始に間に合わなかったため,QRコードの設置と読み取りによる特定を行った.対象学生の学習状況データをグラフに可視化し,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて提示するシステムを開発した.ティーチングアシスタント(TA)を対象として,バックグラウンドデータの提示による授業支援システムを運用し,実際の授業およびTAによる評価実験を行った.実験後に,閲覧件数および対象データの集計を行うとともに,TAに対するインタビュー調査を行った.これらの結果について,口頭発表で報告するとともに,国際会議への投稿を進めた. また,学内外の学術研究集会において,本研究と近い構想を持つ教育学習支援システムに関する技術情報の調査を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バックグラウンドデータを取得するための連携システム,QRコードを用いた対象学生およびその着席位置の識別,対象学生の学習状況データをグラフに可視化し,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて提示するシステムを開発した.ティーチングアシスタント(TA)を対象として,バックグラウンドデータの提示による授業支援システムを運用し,実際の授業およびTAによる評価実験を行った.実験後に,閲覧件数および対象データの集計を行うとともに,TAに対するインタビュー調査を行った.これらの結果について,口頭発表で報告するとともに,国際会議への投稿を進めた.本研究で構想していたシステムの構成および授業実践を行った.
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今後の研究の推進方策 |
教室内のBLEタグを用いた対象学生およびその着席位置の識別を,実運用が可能な精度まで高めることが課題である.また,実際の授業における実践のための設置・調整作業が必要であったり,手動でデータ転送または同期している部分があるため,これらを簡便に運用できるよう工夫した上で,評価のための実験を実施する体制を整備する.
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に研究の遅れがあったことに伴って,研究成果の発表に関する準備が遅れている.このため,データ集計のための謝金,対外発表の旅費および印刷代が繰り越しとなっている.
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果の取りまとめを推進し,対外発表の準備を進める.
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