研究実績の概要 |
本研究の重要なポイントは次の2点である.一つは,単語数の拡張(登録プログラムの完成,1,000単語のデータベース化).二つ目は,判定部の改良(高精度化・高品質化の為に,判定部のアルゴリズムや手法の見直し)である. 最初の項目である単語数の拡充は現在のところまだ500語レベルである.途中変更した1,000語に到達していない.個人差が判定精度に影響してしまった事が原因としてあげられる.この問題に関しては,H28年度からデータベース部や判定部を大幅に改修,ファジィ理論を導入し動作の定義と個人差への対応を行った.さらに,基本判定部分に機械学習を用いて単語の登録手順の簡素化や精度向上を行っているところであり,現在ほぼ完成しその評価実験を行っているところである.それに伴い,単語数増加に対し精度低下は大幅に改善し,増加作業のための検証を進めているところでもある.また,必要な単語数の選別をより実用的なものへ再評価を実施し,当初の目的より縮小された単語数でもより実用に際した単語リストとなった. 高精度化・高品質化の為に行っていた,回転運動の検出は,判定時に評価する動作パラメータの一つとして手の回転動を導入し,今までのシステムでは判別が困難であった手話動作を的確に捉えることができ,判定率の向上が実現できる.また,表情を含めた手話トレーニング環境の構築も,機械学習でその判定部を構築し,高い精度で手話に必要な表情が表出できているかどうかを判定可能である.それぞれシステムはその構築,及び評価実験を終え本システムへの組み込み準備が整った状況である. システム全体としては進行状況が当初の予定より遅れてはいるが,進めるにつれその内容や構成を進化させながら最終形にむけ進行しているのが現状である.
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