研究課題
教員と学生のコミュニケーションを促進するために、画像処理技術を用いた双方向授業システムの研究を行った。教員の質問に対して回答に対応するカードを学生に挙げさせた風景画像から、学生が挙げたカードの位置、種類、数を自動認識して、教員にフィードバックする機能と授業における活用の研究を行った。初年度は、カードの利便性向上を中心に研究した。特に、カードの選択肢数の増加の研究では、従来はカードの3色を選択肢に用いており3選択肢であったが、市場の選択肢問題で最も多い5選択にする見通しを得た。2年目は、カード認識精度の向上について研究をした。照明変化に適応できる画像処理方式の研究では、照明条件の変化に柔軟に対応できる色の認識手法について研究をした。特に、教室後方の画像をズームアップして撮像する3台目のカメラをシステムに増設して、教室後方のカードの画像解像度が低い問題を解決して、教室後方のカード認識精度の大幅向上を確認した。最終年度は、2年目までの成果である多選択カードとその画像認識方式を用いて、授業におけるカードの活用方法に関する研究を行った。まず、学生の回答の履歴を求めて活用する技術を研究した。現在は、カードの選択色ごとの集計値のみを求めているが、カードの位置情報をもとに個別の学生の回答履歴を特定する研究である。参照用画像のカードの中心座標と入力画像のカードの中心座標との距離が近い学生を同一の学生と認識させる方法を基本として、参照用画像のカードの位置を可視化させ,その位置に挙げてもらうことによって学生特定機能の高精度化を達成した。また、授業におけるカードの効果的な使用手法について、教室における実証システムを構築して検証しつつ研究した。このほか、カードの認識精度向上のために、カードの色分布の分析や、ディープラーニングによる識別手法について研究を実施した。
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