研究課題/領域番号 |
15K01045
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
横山 宏 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (20249452)
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研究分担者 |
中村 勝則 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (10413329)
宇治 典貞 白鳳短期大学, その他部局等, 講師 (80330439)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 大学生基礎力 / EQ / 大学教育の改善 |
研究実績の概要 |
大学生基礎力アンケートテストの作成と使用を行なった。大学生基礎力アンケートテストには、[入学前用]と [入学後用]の2つがある。これらの基本構成は同じであり、最後の小問の文型が「できますか」に対して「できましたか」となっている。大問は、社会人基礎力やEQ(心の知能指数)などの文献研究の考察を踏まえて4つの型(A~D)となった。A「友だち」は、A-1友だちを作る力(意欲)、A-2他人に話しかけ応答する力(会話力)、A-3他人とつき合う力(交際力)とした。B「目標」は、B-1目的や目標を定める力(設定力)、B-2就職や進学を想定する力(想定力)、B-3自立する心(自立心)とした。 C「行動」は、C-1やりたいことを持つ力(希望創出力)、C-2好きなことを知る力(探究力)、C-3こだわりのある心(執着心)とした。D「決心」は、D-1決心をする力/それを守る力(決断力)、D-2ねばり強さ/継続する力/やりぬく力(完遂力)、D-3自立をコントロールする力(自制心)とした。これらA-1~D-3の12区分にそれぞれ小問を3つずつ配置し、合計36問で構成した。 [入学前用]は、大阪電気通信大学総合情報学部デジタルゲーム学科に2016年度新入生として入学手続きを行なった者のうち、入学前教育の1つとして開催された入学前ガイダンス(2016年2月)に参加した125名に使用し、データを得た。また、[入学後用]は、同学科に入学した学生(2016年2月に[入学前用]を受けている者)に対して、同学科で開講されているキャリア教育系科目「大学入門」の授業において、授業内容とその進度の調整を踏まえて5月末までに実施する予定で計画を進めている。 また、本研究の基礎理論に密接に関係する社会人基礎力に関する研究発表「プレゼンテーション能力の新しい指導方法」(研究協力者稲浦綾らが口頭発表、査読無し)の支援も行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画の通り、大学生基礎力アンケートテスト[入学前用]と [入学後用]が作成できた。そして、[入学前用]を対象者(大学の入学試験に合格し、入学手続きを行なった者)に、入学前の2月の時期に使用ができデータが得られた。 また、 [入学後用]の使用は、[入学前用]を使用した同じ者らに、大学での授業内で使用できる見込みで計画が進んでいる。ただし、本来は4月の時期に実施予定であったが、キャリア教育系の授業かつ必修による受講生の一斉確保が適当と判断して実施科目に拘ったため、その授業の内容・進度の関係で、5月末頃の使用見込みとなった。 さらに、4つの型の教材(シナリオ・絵コンテ・静止画/動画)は作成が遅れている。作成には学生(学部4年生・大学院M2を中心、含む留学生)による作成チームを編成していた。本来は、5月には絵コンテ・静止画/動画も完成予定であったが、作成チームの中心メンバー(重要スキル所有者)の学業活動(卒研・修論)の遅れによる作成遅延、メンバー中の留学生(重要スキル所有者)の緊急な母国への一時帰国などの事情による作成遅延などによって、計画の停滞が余儀なくされた。4月になってから新たなスキル所有者の参加手配などに手間取ったが、これらの作成計画を見直し、作成チームの再編成できたので、現在は計画進行の見通しがたっている。
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今後の研究の推進方策 |
4つの型の教材(シナリオ・絵コンテ・静止画/動画)を完成させ、大学生基礎力アンケートテスト[入学前用]と [入学後用]を使用した学生らに適用し、学習データを得てそれらを評価する。その結果を検討して、代表者は分担者と研究協力者の協力を得て、学協会等で発表する。 特に、代表者が所属する情報教育学研究会(任意団体、会員約50名)の協力を得て、学習結果の精緻な検討を行ない、[入学前用] [入学後用]アンケートテストと教材のさらなる改善を図る。その成果を踏まえて、国内の有識者に専門知識の提供を受け、国外の研究者と情報交換を行なう。
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次年度使用額が生じた理由 |
4つの型の教材(シナリオ・絵コンテ・静止画/動画)では、学部学生と大学院生などの作成チームを編成して、物品費(作成用の機器やソフトや消耗品など)と人件費・謝金を使用する予定であった。しかし作成において、彼らが所有している使い慣れた機器やソフトによる作成に拘ったため、必要になるまで出費を待つこととした。また、重要なスキル所有者に留学生を含めていたため、緊急な母国への一時帰国などの事情によって作業の停滞が余儀なくされ、その影響を受けた作成チームでの役割分担調整の都合上、作成チーム全体の年度内の人件費・謝金の契約などが後回しになり、年度内の出費がされなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
4つの型の教材(シナリオ・絵コンテ・静止画/動画)の作成の遅れを取り戻すために、新たなスキル所有者を加えて作成チームを再編成した。そこでは、本教材の作成に必要な物品費(作成用の機器やソフトや消耗品など)と人件費・謝金は計画とおり必要となるので、使用する予定である。
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