研究課題/領域番号 |
15K01060
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
北條 礼子 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (50199460)
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研究分担者 |
松崎 邦守 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (90584160)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ポートフォリオ / CLIL(内容言語統合型学習) / 小学校外国語活動 / 小学校英語 |
研究実績の概要 |
平成27年度は小学校中学年4年生の外国語活動において、ポートフォリオの適用可能性を検討した。平成27年10月から平成28年2月まで、30分モジュールで計10回の外国語活動を出張授業の形で実施した。授業の内容は、アルファベットに加えて英単語を書くこと、フォニックスルールを用いて英単語を読むことというものであった。全10回のうち、第8時から10時にかけて、ポートフォリオの重要な要素であるカンファレンスを実施し、全10回の出張授業を通して児童がこれから生かせそうなこと、やってみたいことをカンファレンスシートに記入し、グループごとに発表した。自分が発表しないときは、発表者の発表を聞いてコメントを付箋紙に書き、発表者に渡すようにした。事後アンケートけっかについて直接確率計算により検定した結果から、このカンファレンスにおいて、児童は自分の学習を振り返ることができ、友人のいいところを見つけることができ、発表を聞いて自分も頑張ろうと思ったという意見がそれ以外の意見より多いことが分かった。ここから、カンファレンスは小学校中学年4年生にとっても、事前の丁寧な説明があれば、英語の文字学習にとって適用が可能であることが示された。 CLIL(内容言語統合型学習)については、ヨーロッパが発生の地であるので、平成27年度には9月にドイツのベルリン市とブランデンブルグ州の学校や文部省、教員研修所を訪問し、その実施状況を調査した。その結果、ベルリンのギムナジウムではbilingual educationという名前で一般的に実施されているが、小学校ではそれほど一般的ではないことがわかった。ただし、教員研修では扱われていることもわかった。CLILは準備に時間がかかるため、今年度は中学年の外国語活動で実施可能であると思われるいくつかのプログラムを作成し、実施の上検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学校中学年へのポートフォリオの適用可能性を4年生で検討し、CLILのプログラムについても中学年対象のものを実施することにより適用が可能であるかどうかを検討できたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、今年度試行したポートフォリオの適用可能性をさらに検討する。可能であれば、4年生ばかりでなく、3年生を対象にして検討する。外国語活動内容としては、近い将来教科化が予定されている英語科で導入されると予想される、文字指導を扱う。また、CLILについては、ヨーロッパ一国(現在検討中)を訪問し、その先行事例を調査する予定である。昨年度の成果の一部は、平成28年度の関連諸学会で発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、先行研究を多く収集する予定であったが、そのための時間を十分に取れず予算を消化しきれなかった。また、小学校外国語活動の出張授業に必要な物品が、在庫として使用可能なもの(文法具、画用紙、印刷用トナーなど)があったため、補充する必要がなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、文献を十分に収集していく予定である。さらに、出張授業畏必要な物品についても今年度は新たに補充していく予定である。また、旅費についても、成果の一部を発表するため、研究協力者に提供していく予定である。
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