研究課題/領域番号 |
15K01062
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
益子 典文 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (10219321)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 教師教育 / 教育実践研究 / 教員研修 |
研究実績の概要 |
研究2年目である平成28年度は,次のように研究を遂行した。 【研究目的1】研究現職教師の研究仮説立案と研究認識タイプの関連性の検討:教育実践研究を継続的に推進している大学院修了生に対し,PAC分析による教育実践研究イメージの事例分析を行った。その結果,児童生徒への思い(仕事に関する信念)を中心として,他の教師に自分の実践を説明し,役立ててもらいたいという思いが,研究を継続させる重要な要因であること,知識生産型の認識は大学附属学校等の経験でも形成されうることなどが示された。また大学院での学習経験は,実践の理由を明確にすることや,他者への実践の説明に学習科学などの成果が有効であることなども示された。研究初年度同様,将来教師となる学部生(知識消費型と考えられる)が,知識生産型の認識を持つベテラン教師の教育技術を調査・分析し,その過程・成果を評価する活動を今年度も継続して行った。 【研究目的2】図解による仮説設定・再構成活動の効果の検証とモデル化:熊本市教育センターにおいて平成27年度に実施した研究員研修の効果分析では,一定の実践経験後の「まとめ」段階の方が,図解は効果的であることが示された。これは実践者である教師が,仮説立案時ではなく実践に直面した時点において,細部にわたる設計活動を行うことに起因すると考えられる。そこで,平成28年度の研究員研修では,実践前の仮説立案活動を支援するワークシートを開発し,利用した。効果の検証は平成29年度に行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
知識生産型教師の教育実践研究イメージの事例分析,および現職教師対象の教員研修における図解による仮説立案活動の改善が完了した。学部生がベテラン教師の教育技術を調査・分析することの効果と合わせ,全体的な評価は平成29年度に実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度である平成29年度は,大学院での教育実践研究の学びを修了後も継続する条件,学部生がベテラン教師の教育技術を調査・分析することの効果,教員研修において図解による仮説立案活動を行うことの効果,ぞれぞれを評価し,研究全体の取りまとめを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
効果分析の研究発表と,教員研修の事前・事後打合せを予定していたが,研究成果一部未発表および打合せが不要であったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度の効果検証のための打合せ,研究発表のための旅費として充当する。
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