研究課題/領域番号 |
15K01066
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大平 茂輝 名古屋大学, 情報基盤センター, 助教 (60339695)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ゲーミフィケーション / 研究活動 / モチベーション / 可視化 |
研究実績の概要 |
ゲーミフィケーションの概念を研究活動に導入し、獲得されるデータの可視化を通じて Gamified Research Activities の実現を目指した。平成27年度は以下の2つのアプローチから研究を実施した。 (1) 目標設定と研究活動中のリアルタイム/非リアルタイム評価手法の検討 研究活動全体を11個の主活動と100個の副活動に分類し、研究活動ツリーとして表現した。ツリー中の各活動を実践しやすいシンプルな500個の目標行動に細分化し、目標行動の実践状況を自動的に取得・評価する活動実績を約240個用意した。研究活動ツリーと目標・実績グラフからなる研究活動マップを定義した。学生が選択した目標行動の達成度を評価する方法として自己評価・相互評価・自動評価の3種類を用意し、簡便なUIによって活動を評価する仕組みと、活動履歴を自動的に収集し実績を機械的に評価する仕組みを実装した。 (2) 研究活動同士をつなぐ研究ノート作成手法の開発 ゼミコンテンツに基づく課題・タスクの整理と、その実行に基づく研究活動の可視化に対してゲーミフィケーションを導入することにより、研究活動に対する包括的な支援を行う“Research Activity Concierge”システムを提案・試作した。具体的には、ゼミでの議論によって表出する課題やタスクなど日々の研究活動ですべき事柄について、活動ごとのノートや詳細な内容を記述するメモを作成することにより、ゼミコンテンツと研究活動を関連付けて整理・記録する仕組みを開発した。また、研究活動マップ上において、課題・タスクとその後の研究活動の結び付きの可視化と、数値化された活動状況の提示を行う仕組みを開発した。提案システムを用いた研究ノートの作成と課題・タスクの整理および相互評価・自動評価の可視化が、研究活動経験の浅いB4の目標設定とモチベーションの向上において特に有効であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、平成28年度に「報酬」の概念をゲーミフィケーションに導入すること、ならびに、平成29年度にゲーミフィケーションデータの可視化を行うことを予定していたが、報酬については経験値やレベルアップといった一部のゲームデザイン要素をシステムに導入して試験運用を開始しており、可視化についても課題の達成度など十分ではないものの実装しているため。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに進んでいるため、研究計画調書に示したように、平成28年度と平成29年度については下記(3)(4)のアプローチにしたがって研究を推進していく。 [平成28年度](3)報酬システムの導入と有効性の検討 [平成29年度](4)ゲーミフィケーションデータの可視化
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画では、平成27年度は国際会議での研究調査と国内学会での成果発表をそれぞれ1回ずつ予定していたが、既存システムとの連携ならびに提案システムの試作を優先させた結果、想定より早く進展したことから、国際会議ならびに国内学会での成果発表(各2回)を前倒しして実施したため。
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次年度使用額の使用計画 |
既存システムとの連携を重視したため先延ばしにしていたハードウェア(サーバ及びストレージ)の購入と試作システムの移行、ならびにテスト環境で利用する研究補助者の雇用のために、翌年度分として請求した助成金を使用する。
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