研究課題/領域番号 |
15K01071
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小柏 香穂理 山口大学, 大学評価室, 助教(特命) (60379922)
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研究分担者 |
松元 隆博 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (10304495)
内藤 博夫 山口大学, 理工学研究科, 教授 (10127772)
王 躍 山口大学, 大学情報機構, 准教授 (30263792)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 大学評価 / IR / 可視化 / 教育評価 |
研究実績の概要 |
近年,大学(組織)としての教育活動の自己点検評価・活動を行うことが必須であるが,現状ではそのための教育活動の評価方法が確立されていない.そこで本研究では,大学内の複数の教育活動データベースから必要なデータを集約し,その分析結果を可視化するツールの開発を目的とする.これは多様なデータに基づく客観的な評価手法であり,従来の主観的な評価手法と合わせることにより,効果的な教育評価方法となることが期待できる. 今年度は,本学のシステムである,(1)大学評価アンケートシステム,(2)自己点検評価システム,(3)講義支援システム(Moodle)の3つを取り上げ,これらのシステム構成及びデータベース構造の調査を行った.(1)は本学独自の大学評価アンケートシステムであり,本学認証サーバと連携することで,部局ごとの回答率表示や回答対象者の絞込ができる機能を有しており,大学評価やIR活動を充実させることが期待されている.(2)は教員活動の自己点検評価システム等の3つのWebシステムで構成されており,これらのシステムを活用して,本学における組織活動の現況を山口大学活動白書として公表している.(3)は本学の修学支援システムと連携しており,学生にシームレスな教育・学習環境を提供している. 本研究は,これらの異なるシステムのデータを収集してデータを分析・可視化することが目的であるが,今年度はその試行として,(3)Moodleのデータを活用して,授業時間外学習時間とMoodleコース開設数の相関を,本学学生アンケートデータに基づいて,最も簡便な分析手法を用いて解析した.また多様なデータ(形式のことなるデータ)を統合・分析する一連の工程を行うために,本学名誉教授(研究協力者)が開発したソフトウェアを活用し,試行的にデータのクリーニング(形式をそろえる)を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の研究テーマは,(1)学内の教育活動に関するシステム・データベースの調査,(2)教育活動に関するデータの集約である.(1)に関しては,調査対象のシステムについてデータ項目等を調査し,おおむね順調に進展している.(2)に関しては,教育活動に関するデータ収集のための手続き等に当初の予定よりも時間を要しており,やや遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの進捗状況として,教育活動に関するデータ収集に遅れが生じているため,従来の方法以外のデータ収集方法も検討する.次年度以降は,これまでの研究成果をもとに,教育活動の可視化を実現するためのシステム構築(具体的には,データベースの構築,可視化ツールの開発と評価)を目指す. また研究代表者の所属研究機関が変更になるため,当初予定していた学内のデータ収集が難しくなる可能性が考えられる.そこで異なる大学間でのデータ収集も視野に入れ,大学間による比較研究等へ展開できるよう努力したい.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は,学会の場所等の関係で旅費が当初の予定よりも少額であった.また教育活動に関するデータ収集に遅れが生じたことから,データ分析やデータバックアップ用に使用するハードディスク等の消耗品を購入しなかったため,約15万円の残額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額(未使用額)は,データ収集及びデータクリーニングの進捗状況を確認しながら,多様なデータ分析に適する物品等の購入費に充当して使用する.また可視化ツールの設計・開発を行う上で必要なソフトウェアの購入や調査研究旅費,さらに国際会議等(DSIR2016・7月開催予定)で研究成果発表を行う予定であり,その参加費及び旅費として支出予定である.
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