研究課題/領域番号 |
15K01076
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
李 相穆 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (60400298)
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研究分担者 |
Kasjan Andreas 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (80253524)
PARDESHI P.V. 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (00374984)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | e-Learning / 意識調査 / 動詞の習得過程 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はマルチメディアを用いた外国語学習過程を心理学および認知言語学的立場から分析・解明し、それをモデル化することで、外国語学習教材が備えなければならない要素を明確にすることである。そのために、研究代表者が参加した国立国語研究所プロジェクト「日本語学習者用基本動詞用法ハンドブックの作成」と基盤研究(C)「マルチメディア外国語教材と学習者のインタラクションに関する言語行動学的研究」の研究結果を踏まえマルチメディアが外国語学習へ及ぼす影響を解明している。研究期間(平成27年度から29年度)中の平成27年度は以下の「マルチメディア外国語教材についての学習者の使用実態と評価」に重点をおいて研究を進めてきた。 1. 大学生のe-learning教材利用に関する使用実態および意識調査 e-Learning外国語教材に対する学生の意識を調査するためまず学生のe-Learning学習環境を調べ、学生のe-Learningを使った外国語学習に対する満足度を調べた。その結果学生はe-Learning外国語学習について肯定的なイメージを持っているのに対して、実際の利用においては概ね否定的な意見を持っていることが多かった。今回の結果がe-Learningを利用した外国語教育開発の基礎データとして活用されることを期待している。 2. 動詞の習得過程についての言語学・認知言語学的研究 動きを表す言葉である動詞の意味を学習者が理解し、自分の記憶システムに保存していく仕組みを解明している。実際の発話場面でその情報をどのように活用していくのか、そしてどのようなエラー(誤用)をするのかについて言語学や認知言語学的知見を取り入れ、研究を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に示した開発手順にそっておおむね順調に進んでいると判断している。外国語学習者を対象とした評価実験がやや遅れているが、研究2年目である平成28年度の早い時期に実施することを予定している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はe-Learningやマルチメディア教材に対する学習者の意識を主に調査してきた。しかし、本研究により明確な学問的な意義を持たせるためにより体系的な調査が必要に思われる。そして、国内外の外国語学習者(日本、アメリカ、韓国、中国、インド、カンボジア)を対象に視覚情報と動詞学習に関する認知実験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画としては平成28年の心理実験のためにパイロット調査・実験を行い、実験デザインを確定する予定だった。ところが、学習者を対象について行った意識調査で明らかになったことを取り入れデザインを再度見直す必要が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
パイロット調査と実験は平成28年度の早い時期に行う。その結果を踏まえ、国内外の外国語学習者(日本、アメリカ、韓国、中国、インド、カンボジア)120人を対象に視覚情報と動詞学習に関する認知実験を行う予定である。
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