研究課題/領域番号 |
15K01076
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
李 相穆 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (60400298)
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研究分担者 |
Kasjan Andreas 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (80253524)
PARDESHI P.V. 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (00374984)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | マルチメディア / 視覚情報 / 外国語教育 / イメージ・スキーマ |
研究実績の概要 |
内容を表す絵を言語情報と同時に提示すると言語記憶が促進されるという二重符号化説は、学習の場に絵や映像を導入しようとする多くの試みの根拠となった。そして、その効果を検証しようとする実験研究も多く行われた。 しかし、映像は、言語と併用しさえすればよいというものではないと考えられる。言語理解と記憶における映像の併用効果を調べた研究では、必ずしも二重符号化説から予測される併用効果が得られているわけではない。例えば、それぞれのメディアから提示される内容の重複性が異なる教材を用いて併用効果を調べた研究では、映像情報と言語情報の冗長性(content redundancy)、即ち、一致度合いによって学習効果が異なるという結果を得ている。イメージが学習者に何らかの影響を及ぼすのではないかという問題は、これまでの理論的研究に先行してむしろ実践的な場面で盛んに研究されてきた。しかし、なぜイメージが学習効果を促進するのかは未だ充分に明らかになっていない。具体的な映像材料は制作者や教師側の曖昧な基準や勘に頼って活用されているのが現状である。そこで、動詞の学習過程で明らかになったイメージの種類、利用法を現在の日本語教材、日本語辞書に取り入れるために映像データベースを構造化し実用化を図る予定である。外国語教師が動詞の意味を学習者に提示したり、学習者が動詞の振る舞いを正確に把握したりするためにこのシステムを利用することが想定できる。
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