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2016 年度 実施状況報告書

教師の「学び続ける力」の向上を支援するためのデジタル教科書の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K01078
研究機関大阪教育大学

研究代表者

寺嶋 浩介  大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 准教授 (30367932)

研究分担者 時任 隼平  関西学院大学, 付置研究所, 講師 (20713134)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード学び続ける力 / 専門職 / 教員免許状更新講習 / 経験学習 / 教師教育 / 現職教育 / 現職教員 / 省察
研究実績の概要

前年度までに明確にしたコンセプトに基づき,教材を開発した。経験学習を通しての成長について認識をさせ,「学び変えられる教師」へつなげる構成とした。具体的には,以下のような章構成を取る。(a)今までの教職人生について振り返る:今までの教職人生について,振り返らせる。そしてこれからの教職人生において,必要な経験を考えさせる。(b)一皮むけた経験について振り返る:今までの教職人生の中で,一皮むけた経験を選び,その特徴について考えさせる。(c)自身の経験学習力を考えさせる:松尾(2011)の経験学習チェックリストを用いて,自身の経験学習について振り返らせる。そして,これからの人生について考えさせる。(d)学び変えられる教師へ:自分自身が学校内の組織においてどのような立場であったのかを振り返らせ,自身だけではなく,組織を改善していくことを考えさせる。
各章では,①自己の省察―②他の情報との比較―③未来へ向けて―④コラムという形で構成されている。①においてはチェックリストやワークラインなどのツールを活用し,可視化をする。②においては,これまで取り組んできた調査等をデータとして引き合いに出し,自身のデータと比較させる。③においては,①,②をもとに考えさせる。④においては興味をもった人がさらに勉強できるように,その章における背景理論や参考書等を紹介した。現在,前章の内容についてはほぼ固まった状態であり,具体的な教材制作に入るところである。教材はデジタルで提供することを予定している。今後,教材の評価を行う予定である。評価の視点として,普通に振り返るときと,このようなツールがあるときとでは振り返りの質が異なるのかを軸としたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度中にデジタル教材の開発を行う予定であったが,先行研究を再吟味していると,本教材で捉えようとしている「学び続ける教師像」が個人のみの経験学習の枠内にとどまっている限界点が浮き彫りになった。近年の教師教育あるいは経験学習が個人による成長だけではなく,「つながり」に着目していることを踏まえれば,教師の協働性にもっとスポットを充てるべきであろうと考え,それらを探究するための調査を行った(時任・寺嶋 2015, 2016)。現在その成果については重要だと考え,論文投稿を準備をしているが,このため実際の教材の開発やパイロット版の評価については進展が遅れた。

今後の研究の推進方策

次年度はじめに教材内容検討に関する研究成果を報告を予定している。それが終了し次第,デジタル教材の開発を進め,その開発概要を日本教育工学会において報告する。そこで得られた評価をもとに再度修正を行い,教材を完成させる。
完成された教材を数名の現職教員に試してもらい,省察の精度が高まったかどうかについて検討したい。

次年度使用額が生じた理由

年度末に予算申請した旅費が当初想定したものよりも安かったため。

次年度使用額の使用計画

残った予算については,次年度に割り当てて活用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 市内全校1人1台タブレット端末環境導入期における 教師のICT利用に関する実態と印象 ー校種の違いに着目してー2017

    • 著者名/発表者名
      寺嶋浩介・中川一史・村井万寿夫
    • 雑誌名

      教育メディア研究

      巻: 23 ページ: 47-56

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ICT活用指導力を高める研修のデザイン2016

    • 著者名/発表者名
      寺嶋浩介
    • 雑誌名

      学習情報研究

      巻: 251 ページ: 32-33

  • [雑誌論文] ICT研修ファシリテーター養成講座の開発と評価2016

    • 著者名/発表者名
      脇本健弘・稲垣忠・寺嶋浩介・中橋雄・島田希・堀田龍也・坂口真
    • 雑誌名

      日本教育工学会論文誌

      巻: 40 ページ: 145-148

    • DOI

      10.15077/jjet.S40075

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ICT研修ファシリテーター養成講座の改善ー2016年度の取り組みー2016

    • 著者名/発表者名
      脇本健弘・稲垣忠・寺嶋浩介・中橋雄・島田希・堀田龍也・坂口真
    • 雑誌名

      日本教育工学会研究会報告集

      巻: JSET16 ページ: 21-26

  • [学会発表] Teachers’ Technology Acceptance in a One-to-one Tablet PC Intergration Across Entire Cities.2016

    • 著者名/発表者名
      Terashima, K., Nakagawa, H., & Murai, M.
    • 学会等名
      International Conference for Media in Education 2016 (ICoME2016)
    • 発表場所
      京都外国語大学
    • 年月日
      2016-08-19 – 2016-08-19
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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