研究課題/領域番号 |
15K01082
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
神田 明延 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (10234155)
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研究分担者 |
山口 高領 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 講師(任期付) (60386555)
湯舟 英一 東洋大学, 総合情報学部, 教授 (70339208)
鈴木 政浩 西武文理大学, サービス経営学部, 講師 (10316789)
大山 健一 首都大学東京, 人文科学研究科, 客員研究員 (20715429)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | CALL / 読解効率 / リーダビリティ / チャンク |
研究実績の概要 |
本年度昨年度の反省を踏まえて、処遇データを補うために、課題分担者を増員した。それにより読解効率の向上と英語リスニング能力向上のために、チャンクで区切った英文をこれまで使用してきたソフト(Mewm: ミント・アプリケーションズ)によって処遇データを取る量を増やせた。さらにリーダビリティの独自の新指標であるMGJP(日本人に最適化した複合的指標)を元にテキストの難易度・レベルも測定した。しかしながら、今のところ有意な結果や相関関係などは見られない。さらなる処遇と研究方法を今後検討したい。 他方で関連研究として行っているチャンク区切りされた英文と動画・音声ファイルを同期表示でウェブシステム(Talikes: http://www.mintap.com/talkies/talkies.html)の開発及び運用が進み、本格的な授業実践に及んでいる。これは本課題の枠を超えて多くの利用者が増え、本格的な利用段階に入り、いずれ本課題に寄与する可能性がありえる。このような取り組みは本課題のもう一つの目的である速読訓練から、聴解訓練に進み、リーディング力向上からリスニング力への転移効果を狙うものである。これには読み速度(WPM)を図る機能や、音声訓練に使える機能も搭載されているので、本研究課題の処遇にも使えるものとなった。今後処遇とプレポストの位置づけの方法を再考して、システムとツールの使い分けが必要と思われる。 さらに、もう一つの課題であるチャンク長の最適については、初期段階の研究を終えて、新たな成果を求めた準備段階に入り、最終年度で成果を出せる見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実績で報告したように処遇データを分析したが、成果はこれまでどおりで、リーダビリティに関するどのような学習者がどのようなレベルの文書にどう対応しているかまでの相関関係までは見いだせていない。さらなる処遇を積み重ねデータ検証をする。またチャンク長の最適化も更なる妥当性を追求して処遇実験準備をして開始するところである。
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今後の研究の推進方策 |
リーダビリティ関連の研究については、さらに処遇を繰り返しデータを多めにとり検討を繰り返す。 他方学習者に対するチャンク長の最適化を目指す研究としては、新たな処遇方法によってデータ取る。研究方法としたは、1)phraselengthでフレーズ長を実際に英文に改行を入れさせてフレーズ長を記録させる。2)rate of delivery:音読速度。30秒で何語発音できたかを計測させる。3)WRA:Word recognition accurasy。英検の長文問題から無作為に抽出したリストで、語認識精度を測定する。妥当性と信頼性は学会で発表済みで準備はできている。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外学会発表への出張がことごとく不可能になり、各分担者とも旅費の支出がなかったため、全体としても支出が少なかった。国内学会も主だった学会が関東圏での開催となり、特に大きな旅費の必要が必要がなかった。また処遇結果について特に際立った有意なものが出なかったので、研究会を持つ回数も減り、旅費・会議費が例年より少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
海外学会での発表にすでに応募している分もあり、さらに年度内に他の海外での発表を予定している。これと、新たなウェブシステムの開発費等で十分に使用が充たされる。
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