研究課題/領域番号 |
15K01094
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
児玉 靖司 法政大学, 経営学部, 教授 (30266910)
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研究分担者 |
寺脇 由紀 法政大学, 経営学部, 講師 (30559365)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | MOOC / ブレンド型学習 / 学習データ解析 / オンライン学習 / 教材情報システム |
研究実績の概要 |
本年度は研究初年度であり、1)文献調査、2)Course Builderを用いたサイト構築までを中心に実施した。「文献調査」や MOOC に関する最新研究調査では、最新の文献を輪読すると共に、ユネスコの会議であるRegional Expert Meeting on Massive Open Online Courses: MOOCs For Higher Education in Asia and the Pacificに招待され、招待講演をし日本のMOOCの現状をアジア各国のステークホルダーと議論することができた。アジア諸国がさらに、オンライン学習の面で非常に進んでいることを確認した。一方で、技術的には学習解析分野では発展途上であることも確認することができた。日本のMOOCをオーガナイズする組織であるJMOOCのワーキングループの主査に児玉が就任し、日本のMOOC関係者と議論をすることができた。JMOOC では、100以上のコースを既に展開し大学など組織の広告宣伝としてMOOCを活用している現状を把握することができた。今後は、独自の研究会を開催したり、さらに海外の大学と連携できるよう模索する。本研究課題と直接の関係は、今後の学習解析分野での研究と連携するように調査することである。Google と連携した研究プロジェクトでは、本年度は数コースを実際に構築することができた。URLは、http://ree.site44.comである。現在はGoogle と連携する研究プロジェクトでも学習解析の分野の調査を開始した。 論文は、児玉が上記国際会議で招待講演を行い、加藤らと共著で学習解析分野での論文を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度ということで、文献調査、国際会議での議論等が中心であったが、初年度よりサイト http://ree.site44.com を公開することができた等、概ね予定通りに進んでいる。Course Builder を用いて実際にコースを作成し学習データを蓄積している。オープンソースであるCourse Builderについては、まだオリジナルバージョンで手を加えることはなく使用しているが今後改変していく予定である。特に、クイズについて各学習者への出題が固定されているなど、現在でも問題点が明らかになっている。児玉が8月にユネスコ主催のMOOCに関する会議で招待講演を行い、アジア各国のステークホルダとMOOCの現状に関して議論することができた。アジア各国では既にOpen Universityを中心としてMOOCを展開しており、今後連携を含めて学習データ共有を期待することができる。 一方、新たに加藤らと学習データ解析に関する論文を執筆した。加藤らは、本務校において教材情報システムを用いた学習データの蓄積があり、特に自己調整学習分野で新しい手法を用いた学習データ解析および、フィードバックに関する論文を執筆した。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度からは、さらに Course Builder を使ったオンラインコースを作成し学習データを取得するように工夫する。特に、被験者となる学習者の条件を変化させる等してA/Bテストが可能になるように考察をする。最新の論文を輪読し、学習者の学習データ解析だけでなくフィードバック手法に関しても考察する。 オープンソースである Course Builder を改変し様々な学習データを取得できるようにする。特に学習分析に使うためのデータとなるように工夫する。 児玉が学習分析学会の理事に就任したので、学会活動を通して最新の研究動向を調査し、研究に役立たせる。
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次年度使用額が生じた理由 |
寺脇の国際会議発表及び参加がかなわなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
国際会議での発表及び、米国での研究ミーティングを予定している。
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