研究課題/領域番号 |
15K01096
|
研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
高田 伸彦 金沢学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90329433)
|
研究分担者 |
高木 悟 工学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50367017)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 経路選択 / 最適化問題 / 携帯情報端末 / 俳句・連句 / アプリケーション開発 / 音声入力 |
研究実績の概要 |
平成27年度には、観光分野の情報や手法に関しての調査分析を行い。経路選択方法において、俳句・連句などを創作するために最適な経路選択に関しての検討を行う、ということが、主要なテーマの一つであった。この経路選択に関する理論は、既にいくつかの論文で発表されおり、今回の俳句連句を詠むことに関しての最適な経路選択をするための要素列挙や手法を絞り込む必要があった。そのため、経路選択関連の研究に従事している奥原浩之准教授(大阪大学:都市計画理論に基づく経路選択など)を訪問し、彼の論文のバックグランドや関係事項を拝聴した。その際、彼の研究室で関連した分野の研究で実際に実験等を行っている学生達にも直接質問を行い有益な情報を収集した。また、電子情報通信学会の情報システム研究部会で、観光地推薦システムの構築や地域観光データの生成、リアルタイム性を生かした検索システムなどを視聴した。現在、それらを含めた資料を整理して、調査分析結果をまとめている。今年度は、それらを踏まえ発表したいと考えている。 これと並行して、これまでAndroid OS上で開発したアプリケーションを再考し、今後利用できる機能や発展性に関して検討する。特に、音声入力への検討も行うことも主要テーマの一つであった。これに関しては、携帯情報端末に音声入力関係のアプリケーションを組み込み、実験を行う事が出来た。実験対象者は、本学の文学部の日本文学科の学生を対象とした。彼らは、俳句を詠む際、通常、紙と鉛筆で作成するのであるが、携帯情報端末の操作にも精通しており、俳句を詠むという行為に対して、手入力と音声入力に関しては違和感なく実行してくれた。その結果の分析を行い、論文にまとめ発表した。今後は、追加機能として俳句・連句の本来の姿である、縦書きの手法に関してのアプリケーション開発ならびにそれを使用した実験も行いたいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究実績の概要から判断して、ほぼ研究計画を遂行できていると言ってもよい。しかし、経路選択を中心に、昨年度実施した調査分析結果をまとめ、論文にする場合、かなりの知識量と構成力がないと完成できないと考えられる。そのため、昨年度は、そこまで詳細に詰めておらず、今年度はその内容を精査し、再度まとめて行く必要があると思う。特に、経路選択に関しては、色々な文献や聞き取り調査をいくつか行ったが、それらを体系的に理解し、本研究の俳句や連句を詠むための最適な経路選択方式を確立するまでには、いくつかのハードルがあると考えられる。そのため、シンプルな数学的手法からいくつか要素を追加し、試行錯誤で論理式を組み立てて行く必要があると思われる。その場合、試験データによる実験が必要となるので、俳句・連句を詠む場合の必要項目の再度の洗い出しとその選択された項目に関して、重み付け等の検討を実施する必要がある。 また、昨年度、実行した音声入力であるが、音声入力機能を構築し携帯情報端末に組み込んで実験を行い論文発表をしている。この中で、音声入力は、文字入力とは別の手法として確立されている。一時期、携帯電話各社が音声入力の良さをかなりアピールしていたが、最近ではCMでもほとんどされていない。やはり、音声認識は、本格的に手入力手段にとって代わる手段ではないという結論が今回の音声入力機能の実現、ならびに実験では俳句・連句の手法としても感じた。もう少し、これを詳細に検討する機会を設けて実施して試みたいが、今回の期間では一応終結したと考える。上記の内容が、主要な実施項目であったが、平成28年度に繋がるように、他の内容も含め平成27年度のまとめは実施してある。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,本格的な俳句・連句創作環境システム構築に着手し,詠み手の創作環境を中心に,最適な環境構築を目指す、と目標を立てた。しかし、平成27年度の実績の報告にも記載したが、経路選択計算において、俳句・連句の要素分析や、最適な経路選択計算式の抽出の検討が十分されていなかったので、その収束に今期の前半を研究時間に割きたいと思っている。 次に、23年度~27年度までに蓄積した文学に関するデータと美術に関する静止画やアニメーション作品をDBにまとめるということを実施する予定である。内容に関しては、静止画や動画などがある。その際、完成品としての静止画や動画のデータはもとより、静止画や動画の構成要素なども合わせてリンク付けをして構築したいと思う。昨年度、別の科研費用で作成したプロジェクションマッピングのアニメーションも組み込んで、より新しい作品も含め順次追加できるように構築していきたいと思う。静止画などは、容量的に現在のPCでも全く問題がないのであるが、動画の場合容量的にも正確に計算して格納しておかないと、無駄になる部分が多く発生し非効率となるので、体系的、効率よく留意してコンパクトに格納していきたいと考えている。 昨年度、音声入力手法を用いて実験したが、日常における使用手法、頻度にもよるが、昨年度の実験では十分に俳句・連句に入力手段として満足できる評価は得られなかった。これ以上、現状では展開が難しいので、今回は、従来のオーソドックス的な入力方法である「縦書き手法」で俳句・連句を詠む方式のアプリケーションを開発し入力方法の手段としての効果を学生に使用させアンケートを取って調査分析をしてみたいと思う。上記のように3つのテーマを主要テーマとしてチェレンジしていくが、今回の一番のテーマである経路選択に関しては、特に有益な結果を得るよう積極的に取り組みたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度購入予定であったパソコンが、研究の進捗の遅れなどから次年度で、安価で性能の良いPCを購入したほうが良いと判断したため。また、研究発表に参加することを予定したが、天候不良のため研究会が中止となり、参加することができなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
前期の費用でパソコン1台と今年度の研究会参加の旅費費と参加費用に充てる予定である。
|