• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

問題文の表現内容に起因する難易度を考慮した計算問題演習システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K01107
研究機関聖隷クリストファー大学

研究代表者

津森 伸一  聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (50342051)

研究分担者 西野 和典  九州工業大学, 教養教育院, 教授 (70330157)
山住 富也  名古屋文理大学, 情報メディア学部, 教授 (90240001)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード計算問題 / 問題演習 / e-Learning / 理解状況 / SPI
研究実績の概要

平成28年度は,学生の理解状況に応じた指導方略のモデル化と計算問題演習プロトタイプシステムの開発が目標であった.
まず,平成27年度に実施した実験用テストの分析結果に基づき,学習者モデルと理解状況に応じた指導方略のモデル化を実施した.実験用テストにより問題の表現方法により計算問題の難易度が変わることを既に確認しており,同じ計算公式に基づく12種類の問題を定義した.具体的には,単位変換を伴う問題,小数や分数を用いる問題,解答に不要なパラメータを含む問題等が挙げられる.これらを5通りの難易度に分類し,学習者の正誤状況に基づき難易の異なる計算問題を提示する方法を検討した.結果,出題用のスタックを用い,ある問題に正解できない場合は下位レベルの問題をスタックにPUSHするなどの方法により正誤状況に応じた出題をすることとした.このアルゴリズムに基づき,計算問題演習プロトタイプシステムの開発を行っている.開発はプログラミング言語であるPHPとデータベース管理システムであるMySQLを用い独自の実装を行うこととし,モックアップの作成と確認の後に開発をスタートした.同時に,システムで用いるSPI計算問題について,データベースのテーブル及びフィールドの仕様を検討した.テーブルは大きく問題情報を格納するものと学生情報を格納するものとに分け,前者には問題文,問題表現及び難易度などの情報,後者には解答履歴や正誤状況を格納することとした.また,全単元のうち幾つかの単元について問題情報を作成し,システム上で正しく表現されることを確認した.以上の成果について国際会議及び国内学会にて発表を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成28年度は,(a)学習者モデルと理解状況に応じた指導方略のモデル化,(b)計算問題演習プロトタイプシステムの開発,(c)SPI模擬問題の作成及び実装,(d)成果発表のそれぞれを実施することを目標としていた.このうち(a),(d)についてはほぼ目標を達成できたが,(b)については開発時に数回の仕様の見直しを行ったため,開発に遅れが生じている.また(c)については,幾つかの単元について実装を行ったものの,当初の予定分量を多少下回った.一方,平成29年度に実施予定であるシステム評価項目の検討やシステムの改良の一部を平成28年度に実施したため,全体として進捗の大幅な遅れはなく,やや遅れる結果となった.

今後の研究の推進方策

平成29年度は,まず進捗が遅れている計算問題演習プロトタイプシステムの開発を行う.これと並行して,SPI模擬問題のうち未実装の計算分野について追加実装を行う.プロトタイプシステムが完成した時点で,システム評価項目・評価方法を検討し,大学生の協力を得てシステム評価実験を実施する.評価実験の結果に基づき必要な改良を行い,計算問題演習システムを完成する.また,システムの実装について国際会議での発表を予定(論文は提出済みで現在査読中)しており,加えて評価結果に基づく国内発表を実施する予定である.

次年度使用額が生じた理由

研究代表者の津森は応募時に現所属大学と異なる大学に在籍しており,当時研究室に所有していたレーザプリンタ(以前の科研費で購入)をそのまま利用することを前提に,トナー類の保守に掛かる費用を計上していた.現所属大学への異動に際しレーザプリンタの利用の必要がなくなったため,保守費用が不要になった.

次年度使用額の使用計画

現在査読中にある国際会議論文がアクセプトされた場合今夏の国際会議に参加する予定である.国際会議はフランスのマルセイユ市で開催され,応募時に計上した国際会議費用では不足することが予想されるため,次年度使用額を充当する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Strategy for Offering Test Questions Based on the Relationship between the Representation of Calculation Questions and their Difficulty2016

    • 著者名/発表者名
      Shin’ichi Tsumori, Tomiya Yamazumi, Kazunori Nishino
    • 雑誌名

      Procedia Computer Science

      巻: 96 ページ: 1437-1446

    • DOI

      10.1016/j.procs.2016.08.189

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 問題の表現方法を考慮した計算問題演習システムの構成2016

    • 著者名/発表者名
      津森 伸一, 山住 富也, 西野 和典
    • 学会等名
      教育システム情報学会第41回全国大会
    • 発表場所
      帝京大学宇都宮キャンパス
    • 年月日
      2016-08-29 – 2016-08-31
  • [学会発表] 「基礎物理学」反転授業の試行2016

    • 著者名/発表者名
      津森 伸一
    • 学会等名
      日本リメディアル教育学会第12回全国大会
    • 発表場所
      大阪国際大学守口キャンパス
    • 年月日
      2016-08-23 – 2016-08-25

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi